公開日 2021年10月13日 最終更新日 2023年7月22日
FP2級試験を合格した方で、このサイトにたどり着いたということは、FP1級試験にチャレンジしてみようとお考えではないでしょうか?
FP2級試験を合格した後は、
どうせなら1級まで目指そうかなぁ
1級受けるなら、せっかく覚えた知識を無駄にしないように、2級を合格直後の試験を受験した方がいいよ
などと、FP1級技能士合格にに手が届きそうな手応えを感じている方も多いでしょう。
一方で、
1級と2級とでは次元が違うよ
あんなの合格できるわけがない
というような意見を耳にすることも多いのですが、果たしてどうでしょうか?
FP1級試験と2級とでは、学習時間に差があり一般的に1級合格に要する学習時間は300時間程度と言われています。
仕事の傍での勉強が多くなるFP1級試験は、ペース配分と戦略がとても重要です。
綿密に戦略を練り、立案したら自分を信じて合格に向かって突き進むのみです。
結論を先に言うと「FP2級に合格できればFP1級も合格できます。FP1級試験を受験するなら、次に開催される試験を受験する」と言うことです。
FP1級試験を受験する意思が固まったら、いつの試験を受験するか受験日を決めましょう。
基本的には、FP2級合格後の次に開催される試験を受験する方がベストです。
理由は
他にもいろいろあると思いますが、とにかく次の試験を受験する方がベストです。
スケジュールは試験日程以外に、法改正など周辺情報もよく把握して逆算で立てることが重要です。
FP試験の年間スケジュールをまとめてみました。
プライベートの用事や、様々な事情で直後の試験を受験することが難しい場合も、まずは大まかな日程を確認しましょう。
FP1級試験年間スケジュール
月 | イベント |
1月 | 1級学科試験(法令基準日(前年10月1日) |
2月 | 1級実技試験 |
3月 | 年度末 |
4月 | 法改正 |
5月 | 1級学科試験(法令基準日:前年10月1日) |
6月 | 1級実技試験 |
7月 | |
8月 | 夏休み |
9月 | 1級学科試験(法令基準日:当年4月1日) |
10月 | 1級実技試験 |
11月 | |
12月 | クリスマス |
FP試験の法令基準日
試験日 | 2023年5月28日 | 2023年9月10日 | 2024年1月28日 |
法令基準日 | 2022年10月1日 | 2023年4月1日 | 2023年10月1日 |
ほとんどの法改正が4月に施行されますが、1級試験は最新の法改正部分が出題されることも多いので、試験日と法令基準日はチェックしておきましょう。
毎年4月の法改正を踏まえた、テキストや問題集が発売されるのが5月〜7月になります。
9月試験を1回目、1月試験を2回目、5月試験を3回目と捉えると実技試験までテキストを買い直す必要はなくなります。
2020年はコロナの関係で5月6月の試験が中止になったため、テキストや問題集を買い直したり、スケジュール変更や気持ちの切り替えが大変だったと思います。
FP1級学科試験は受験者数も年々増加傾向にあり、2018年度までは9月と1月の年2回開催でしたが、2019年度から5月にも実施されるよにになり、年3回受験できるようになりました。
これもFP1級技能士が世の中に認知されて、人気の資格になってきたからではないでしょうか?
最近の試験はコロナ禍の影響か、合格率が上がったので、
◯月の合格率が高いから、◯月がいいらしいよ。
前回合格率が高かったから、次回は難しくなるんじゃないかしら。
5月の受験でダメだったら、テキストを買い直す必要があるから9月からがいいよ。
など、いろんな意見を見かけます。
しかし、繰り返しますが、ベストは「次に申し込める試験を受験する」です。
ただし、300時間の勉強時間を確保できるスケジュールが組めればです。
勉強時間を確保することとモチベーションを維持する必要があるので、試験日まで十分な時間があった方がいい方もいれば、短期集中じゃないとモチベーションが続かない方もいると思います。
仕事やプライベートの予定を踏まえて、モチベーションが続く勉強時間の確保ができる試験日を決めましょう。
次に、試験日ごとのスケジュール例を考えて見ました。
1月の試験で2級を合格し5月に1級を受験しようという方は、まずは現行版のテキストと問題集を買いましょう。
現行のテキストや問題集は、おそらく5月の試験以降は新年度版が発売され、内容が変わってしまいます。
改訂されているとはいえ、2回同じテキストを買うのはもったいないですよね。
次のテキストは買わない! このテキストで勝負する
というプレッシャーを掛けることができます。
それに、5月の試験は年金の計算など改正の影響が少ないので、2級で勉強をしてきた延長線上で受験できるのは有利だと思います。
まず、現行版のテキストや問題集をお持ちの方は、新年度版のテキストが発売される5月〜7月までに、問題集を仕上げることを当面の目標に設定します。
次に新年度版のテキストを購入したら、試験日まで残り少ないですが問題集を3周以上は解きたいところです。
「問題集を何周もする」という話をすると、こんな質問をされます。
同じ問題を何度も解いて効果があるんですか?
過去に解いたことのある問題でも、何度も間違えてしまう問題や、一度解けても次が解けない問題がFP1級には必ずあります。
出題範囲がほぼ無限大の基礎編の問題を予想するのはかなり難しいですが、出題パターンが決まっている応用編なら、過去問や問題集を繰り返し説くことで予想可能だと思います。
回数を重ねると過去問で8割〜9割ぐらい正解することができるようになります。
これぐらいまで繰り返し問題を解くと、自分の解答パターンができるので、本番でも周囲の電卓の音に惑わされず、試験に集中できます。
過去問や問題集を、繰り返し何周も解くことで確実に実力が付くので、できれば毎日、継続して解くことをお勧めします。
この時期で一番大変なのは勉強時間の確保です。
クリスマス、年末年始と、仕事やプライベートでも忙しくなる時期に、勉強時間を確保するのは大変だと思います。
しかし、世の中はこの頃ちょうど受験シーズン真っ只中なので、学生気分で何とか勉強時間を確保しましょう。
2級合格後すぐに1級にチャレンジする方は、学習時間が短く感じるかもしれません。
しかし、直前試験での2級合格者は、合格直後のテンションが上がった状態で1級の勉強ができるのを最大限に活かすべきです。
2級の能力者なら1、級を3ヶ月で勝負することは十分に可能です。
思い立ったらすぐ行動!
次の試験で合格を目指す!
2級と1級の試験分野は一緒なのです。
2級の試験範囲では出題対象にならなかった、細かいところまで出題されているだけの話です。(本当に細かいところまで出題されます)
したがって、2級合格での喜びは通過点だと思い、チャレンジャーの気持ちで取り組むことが大切です。
3級から受験してきた方は2級を受験する際に、3級受験の時に勉強した知識がそのまま通用するので、同じ感覚で2級から1級への受験を捉えてしまうかもしれませんが、まったく別物と捉えておいた方が賢明です。
何月の試験を受験する場合でも、基本的なFP受験に対する心構えやコツみたいなものは、2級合格までの道のりで掴んでいるので大丈夫ですが、2級までの知識でいきなり問題集を解くことから始めてしまうと、戸惑うことが多いと思います。
なぜかというと、同じ分野の問題でも内容の深さや広さが1級と2級ではかなり違います。
ざっとでもいいので、テキストにさっと目を通した後の方が、解き始めても心が折れないと思います。
まずは、テキストを「軽く全体像やレベル感を掴む」「知らない部分を補完する」「忘れていることを思い出す」感じで読んでみることから始めると、1級と2級の違いが感じ取れると思います。
この時点ではまだ「暗記」の必要はありません。
1級の出題範囲は、そもそもの覚える分量がものすごく多いので、マーカーをひいたりノートにまとめるのは、問題集に取り掛かり、どのように出題されるかをつかんでからのほうが、無駄な暗記やノート作成に時間を使わずに効率的です。
あくまでも目的は「軽く全体像やレベル感を掴む」「知らない部分を補完する」「忘れていることを思い出す」ことなので、2週間ぐらいでテキストを読んでしまいます。
合格への最短ルートは、きちんと1級に対応したテキストを習熟して、問題集でその精度を上げていくことが近道です。
2級を合格した方であれば、言葉の意味は理解できるので、FPの基礎学力は身についています。
2級までの学習で身についた知識レベルを、1級のレベルに引き上げるだけです。
1級用のテキストは、事実上一つしかありません。
「’22~’23年版 合格ターゲット1級FP技能士特訓テキスト・学科単行本」です。
このテキストの大きなポイントは「正確性」に一切不安がないことです。
この記述の正確性と信頼性、安心感は試験機関公式本でしか得られません。
2023年4月1日に、金融財政事情研究会がきんざいと経営統合したために、きんざいが制作していたFP受験対策本は、今後制作しないとのことです。
では、テキストは何を買ったらいいのか?
ファイナンシャル・プランニング技能士が知っておくべき情報を1冊に集約。新年度からの法改正・税制改正などに合わせた最新の内容をふんだんに織り込んだ、FP教本シリーズ全10冊です。
問題集については「解説がしっかりしている」「ボリュームがある」問題集を周回して覚え込むことです。
残念ながら、1級に関しては「楽して〜」とか「効率的に〜」などとは考えず、正攻法で向かっていく姿勢が大切です。
FP1級技能士とは、過去に2万人弱程度しかいないFPの最高峰資格です。
延べ2万人弱といっても初期の合格者は、もう現役かどうかもわかりませんし、実際に活躍しているFP1級技能士は思いのほか少ないのが現状です。
そんな希少な資格ですので、小手先の技術では通用しません。真正面から正々堂々とねじ伏せる姿勢で突破していきましょう。
次に、僕が使った問題集は「きんざいの精選問題集」と「過去問」です。
合格ターゲットと同じく2023年4月1日に、金融財政事情研究会がきんざいと経営統合したために、きんざいが制作していたFP受験対策本は、今後制作されないので精選問題解説集も販売されません。
では、問題集は何を買ったらいいのか?
基礎編 第1章A分野
ライフプランニングと資金計画
基礎編 第2章B分野
リスク管理
基礎編 第3章C分野
金融資産運用
基礎編 第4章D分野
タックスプランニング
基礎編 第5章E分野
不動産
基礎編 第6章F分野
相続・事業承継
応用編 2022年5月試験 第1問~第5問
応用編 2022年9月試験 第1問~第5問
応用編 2023年1月試験 第1問~第5問
2022年度(2022年5月・2022年9月・2023年1月)に実施されたファイナンシャル・プランニング技能検定1級試験(学科)の試験問題を全て掲載。出題当時の法規制・税制に対応した解説付き。
精選問題集の取り組み方は【①解く→②正誤を問わず解説を全て読み暗記→③間違えたところに付箋を貼る】を繰り返します。
なお、付箋を貼った問題は次で正解したとしても剥がさずに、貼ったまま折り曲げておきます。
そうすることによって6分野のどこが苦手なのか、最終的に合格ラインを勝ち取るために、どの分野で何点以上とれるのかといった戦略を立てることができます。
精選問題集は、「ノウン」というアプリでも学習できるので、重たい本を持ち歩かずに、スマホやタブレットでも隙間時間や、通勤途中に少しだけ問題を解くことが可能になりました。
過去問ですが、基礎編は2年以上前の過去問は古いのでやりませんでした。
過去問を解く目的は、合格ラインをクリアしたかを図るためではなく、50問を連続して解く集中力の強化と、本番の試験同様に、様々な分野の知識を次から次に呼び起こすトレーニングをするためです。
基礎編は4択問題が50問出題されるので、実質200個の選択肢を判別することになり、問題文を読むだけでも思い込みや勘違いで読んでしまうこともあります。
それを防ぐために、過去問で本番試験の感覚を掴んでおきたかったのと、出題項目は6分野に一応分かれているものの、特にタックスなどは全分野に関係してくるので、分野にとらわれず知識を呼び起こすトレーニングをしておくことで、勘違いを防ぐことができます。
FP1級試験は検定試験ですので、合格ラインをクリアすることができれば合格です。
基礎編と応用編で合わせて120点以上の合格ラインをクリアすることが、最大の目標になりますので、しっかり戦略を立てて取り組むことが重要です。
FP1級試験に合格すると、沢山のいいことがあります。
などなど、FP1級に合格すると可能性が無限に広がります。
私が合格したので、誰にでも合格のチャンスはあります。
2級合格も素晴らしいですが、もうひと頑張りしてみませんか?
ご質問やご意見、間違っている箇所等ございましたら、コメント欄、お問い合わせページ、Twitterにてお知らせください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が、FP1級技能士試験のご参考になれば幸いです。