公開日 2021年5月27日 最終更新日 2023年11月17日
ご覧いただきありがとうございます。
このサイトにたどり着いたということは、FP1級技能士に興味をお持ちの方ですよね。
であれば、興味を持って2級、3級を受験する時みたいに、本屋さんに行ったり、インターネットで調べたり、専門学校のコースを見たりと情報収集しているかと思いますが、実際の感想はいかがでしょうか?
参考書や問題集……… 少なすぎる! 在庫が無い!
専門学校の金額が……… 高すぎる!
問題集をパラパラとめくってみると……… 難しすぎる!
などなど、今まで合格してきた2級、3級に比べて教材や情報量の少なさに驚かれたのではないでしょうか?
そんな未知の世界のFP1級技能士です「やっぱりやめておこうかなぁ」と思う気持ちもわからなくはありません。
多くの方は、この時点で断念します。
途中で断念するケースは、データにも表れていて、
きんざいのホームページによると、FP1級技能士の受験資格でもあるFP2級の合格者は、毎年25,000人合格。
1級学科の受験者数は、毎回5,000人〜7,000人。
複数回受験している受験者も多く、感覚的には2級合格後すぐに1級を受験するのは10%ぐらいという気がします。
しかも、FP1級学科試験の合格率は10%程度です。
参考までに過去、最低だった学科の合格率は2016年9月の試験で、なんと4.8%でした!
このようにチラ見しただけでは難しそうに見えるFP1級試験も、腰を据えて取り組んでみると全く太刀打ちできない代物ではありません。
勉強のセンスだとか、高速回転する頭脳も必要ありません。
ただ必要なことは、丹念に反復練習することです! それができれば必ず合格ラインに達することができます!
なぜなら、FP1級試験は検定試験だからです。
検定試験とは「到達度」を問うものであり、誰かと競うものではありません。あるラインまで勉強して身につけば必ず合格します。
丹念に反復練習することが合格への近道ですが、練習方法が間違っていては合格への道も険しくなります。
そこで、合格を目指す方の心強い相棒となるテキストと問題集を紹介します。
1冊目の書籍は、試験機関きんざいが作る公式テキストで分野の濃淡もなく、記載も正確かつ分量も十分な「’22~’23年版 合格ターゲット1級FP技能士特訓テキスト・学科(きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター )」です。
1冊に全分野を過不足なく十分に整理してあり、無駄に饒舌なテキストが多い中、解説も適量でズバッと説明してあり、FP2級合格者なら違和感なく入っていける内容です。
そもそも、このテキストは、試験機関きんざいが実施していたFP1級講座の受講者向けテキストがベースになっています。
講座受講者限定テキストだったようですが、あまりに好評なため、加筆修正して一般へ出版するに至ったとのことです。
このテキストの大きな推奨ポイントは「正確性」に一切不安がないことです。
この記述の正確性と信頼性、安心感は、試験機関オフィシャルブックでしか得られないものです。
また、制度改正関連もしっかり押さえてあり、他に対抗できるテキストは見当たりません。
あえて弱点があるとしたら、お値段が…4,950円と、なかなかのお値段です。Kindle版は4,455円です。
ベースとなるテキストを本書にして学習を進め、もし難しく感じたり、苦手な分野がわかってきたときには、同じきんざいの分野別テキストを使うとさらにいいと思いますが、テキストに関してはこれで十分です。
まずは、この本を完璧にマスターするだけでも相当な苦労を要するでしょう。
しかし、マスターした頃には間違いなく合格しています!
2023年4月1日に、金融財政事情研究会がきんざいと経営統合したために、きんざいが制作していたFP受験対策本は、今後制作しないとのことです。
では、テキストは何を買ったらいいのか?
ファイナンシャル・プランニング技能士が知っておくべき情報を1冊に集約。新年度からの法改正・税制改正などに合わせた最新の内容をふんだんに織り込んだ、FP教本シリーズ全10冊です。
ベースとなるテキストで学習を始めたら、次はひたすら問題集をやり込みます。
問題集も良質な問題集でなければ、解く意味がありません。
その良質な問題集は、やはり試験機関きんざいが作る「’22~’23年版 1級FP技能士(学科)精選問題解説集」です。
この問題集は、総問題数約300問、分野別テーマごとに過去問がそのまま四択で出題されていて頻出・旬の良問がしっかり押さえられています。
1ページ1問が基本構成で、上半分を問題、下半分を回答解説としており、忙しい社会人の通勤学習等の細切れ学習を意識した作り、無駄にカラフルでなく必要なことをソリッドに示すわかりやすさなど、FP1級受験者のレベルをよくわかった解説ぶりが秀逸です。
ちなみに1級学科試験会場では、いろいろなテキストや問題集を見かけますが二次試験の実技試験会場では、きんざい系以外のテキストや問題集はほとんど見かけませんでした。
FP1級指南サイトや合格者のブログでも、口を揃えて「きんざいの精選」を推奨しています。
弱点として、「解説が薄い」ことをあげる人もいますが、必要なところはじっくり説明してあり2級合格者のような学習が進んでいる人にとっては丁度いい説明量です。
精選問題集の解説で理解できない場合は、合格ターゲットで調べるとほとんど理解できます。
学習初期の段階では難しいと感じることもありますが、それはFP1級として相応しいレベルの問題が出題されているからで問題集のせいではありません。
こういった問題が過去に出題されているので、このレベルの問題をやりこなさないと合格が見えてこないということです。
精選問題集で何回も繰り返し問題を解き、最終的に問題集はスラスラ解けるようにならないと、なかなか合格は見えてきません。
精選問題集は、「ノウン」というアプリでも学習できるので、重たい本を持ち歩かずに、スマホやタブレットでも隙間時間や、通勤途中に少しだけ問題を解くことが可能になりました。
合格ターゲットと同じく2023年4月1日に、金融財政事情研究会がきんざいと経営統合したために、きんざいが制作していたFP受験対策本は、今後制作されないので精選問題解説集も販売されません。
では、問題集は何を買ったらいいのか?
基礎編 第1章A分野
ライフプランニングと資金計画
基礎編 第2章B分野
リスク管理
基礎編 第3章C分野
金融資産運用
基礎編 第4章D分野
タックスプランニング
基礎編 第5章E分野
不動産
基礎編 第6章F分野
相続・事業承継
応用編 2022年5月試験 第1問~第5問
応用編 2022年9月試験 第1問~第5問
応用編 2023年1月試験 第1問~第5問
2022年度(2022年5月・2022年9月・2023年1月)に実施されたファイナンシャル・プランニング技能検定1級試験(学科)の試験問題を全て掲載。出題当時の法規制・税制に対応した解説付き。
ん〜。テキストや問題集を眺めてみるとFP1級合格までの道は険しそうですね。
けど、安心してください。もう一冊問題集を紹介します。
TAC出版の「合格トレーニング FP技能士1級 2023-2024年 [FP技能士 23年9月、24年1月・5月 試験対応](TAC出版) (よくわかるFPシリーズ)」です。
総問題数約300問、分野別の過去問集ですが問題数はきんざいの精選問題集を少し上回ります。
内容は、一つの過去問を分解したもの、学科応用編や実技試験の問題を学科試験向けに、四択に仕立て直して出題している問題もあります。
重要なところや、わかりにくいところを分解して出題することで、重要ポイントの解説を充実させているので、難所理解や弱点克服に使えます。
きんざいの精選問題集の方が難しく感じますが、それはこういう点が理由です。
学習初期の段階では精選問題集よりも、合格トレーニングの方が取り組みやすい問題集です。
学科試験を合格してもFP試験は終わりません。
FP1級技能士の称号を得られるのは、実技試験に合格しなければなりません。
実技試験は、FP協会が実施する筆記試験と、きんざいが主催する面接試験があります。
私は、きんざいの面接試験を受験したので、ここでは面接試験対策のテキストを紹介します。
といっても、テキストはほぼ一択で、きんざいの面接試験会場で目にするのは「FP技能検定1級実技(資産相談業務)対策問題集 【第八版】」です。
実技試験で、しかも面接試験という謎だらけの試験なのですが、まずは「FP技能検定1級実技(資産相談業務)対策問題集 【第八版】」に目を通してみることをお勧めします。
内容は、実技試験の過去問題集とその解説が掲載されていますが、学科試験の延長みたいな感じで読むと、何が何だかわからなくなると思います。
過去問に取り掛かる前に、元面接官からのメッセージや合格者の体験記が掲載されているので、まずは実際の試験会場や、試験の流れをイメージしてみることです。
それぞれの問題に対して、提案例が記載されていますが、解説は前の設例で記載されていると、◯ページを参照というように重複する解説は一度しか記載されていませんので、同じような設例の場合、解説を確認するためにページを行ったり来たりします。
そんなことしていると、勉強は進みませんので、本書の購入と合わせて、付箋やインデックスを購入することをお勧めします。
「FP技能検定1級実技(資産相談業務)対策問題集 」は、数年に一度しか改訂版が出版されませんが、最近は1年分をまとめた「FP技能検定1級実技対策問題集(2021年度分収録)」も出版されているので、最新試験の提案例と解説を読むことができます。
最後に、もう一冊。
試験対策本ではありませんが、実技試験対策としてイメージを掴むのに最適なのがこちらの、「2023年度版 FP提案力の強化書」です。
最善の提案に必要なFPの知識がこの1冊に
FP活動に必須の実務知識をQ&Aで解説よくある質問・相談事例約200を厳選
個人事業主、地主、中小企業オーナー、同族会社との取引を進めるうえで、よくある質問・相談事例約200を厳選。Q&Aと「FP推進のポイント」をわかりやすく解説しています。顧客層別に総合提案のポイントを解説
プロローグとして顧客層別のプロフィールを掲載。顧客の資産背景やニーズなどの特徴を解説しているので、顧客層別に総合提案のポイントが把握できます。最新の2023年度版
出典:KINZAIストア
税制改正新旧対照表を巻末に収録した最新版。ファイナンシャル・プランニングの実践活動の手引となるとともに、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級試験合格後のフォロー教材としても最適です。
実技試験の主な出題分野は「不動産」と「相続・事業承継」です。
最近の設例をみてみると、事業承継の設例ではM&Aや医療法人など、学科試験であまり出題されることのない設例が目立ちます。
実務経験が豊富な方はイメージしやすいと思いますが、経験がないと何の話をしているのかよくわかりません。
本書の説明文にもあるように、合格後のフォロー教材としても使える一冊です。
毎年3月に発売されているみたいなので、最新版が欲しい方はチェックしてみてください。
きんざいが制作していたFP受検対策に関する書籍は、今後制作・販売されません。
そこで、僕が実技試験対策本をKindleで出版しました。
いかがでしたでしょうか?
FP1級試験は、本当に情報量が少なく、本屋さんでテキストや問題集を探しても在庫がなく、立ち読みして内容を確認することができません。
一冊の値段もなかなかしますし、気軽に何冊も買い替えるのも勿体ないですよね。
2級・3級試験のように「勉強しなくても経験や常識で解ける」レベルの問題はほとんど出題されません。FP1級試験は問題演習量が大きくものをいいます。
ぜひご自身の目で確認してみてはいかがでしょうか。
そして、学科試験合格後は実技試験が待っています。
実技試験は、さらに情報量が少ないので合格率は高いとはいえ、しっかり準備して臨む必要があります。
実際、会場にいる人の2、3人は不合格になります。
合格発表を待たずに、早めの準備をお勧めします。
ご質問やご意見、間違っている箇所等ございましたら、コメント欄、お問い合わせページ、Twitterにてお知らせください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が、FP1級技能士試験のご参考になれば幸いです。