公開日 2024年12月13日 最終更新日 2024年12月18日
《設 例》
X株式会社(以下、 「X社」という)に勤務するAさん(65歳)は、妻Bさん(65歳)との2人暮らしである。X社は65歳定年制(定年年齢に達した日の属する月の末日が退職日)を採用しているが、最長で70歳まで勤務することができる再雇用制度が設けられており、Aさんは、その制度を利用して70歳までX社に勤務する予定である。 Aさんは、先日行われた会社の健康診断において要再検査と判定されたことや65歳という節目の年であることを受け、自分が入院等をした場合に健康保険からどのような給付を受けられるのか詳しく知りたいと思っている。 また、 自分に介護が必要となった場合における公的介護保険に関する手続や、自分が死亡した場合に妻Bさんに支給される公的年金制度の遺族給付についても知りたいと思っている。 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。 Aさんとその家族に関する資料は、以下のとおりである。
〈Aさんとその家族に関する資料〉 (1) Aさん(本人)
(2) Bさん(妻)
※妻Bさんは、 Aさんと同居し、 Aさんによって生計を維持されているものとする。 |
技能検定試験問題の使用について 出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1 級学科試験 2024年9月
〈条件〉 (1) 厚生年金保険の被保険者期間
(2) 平均標準報酬月額および平均標準報酬額(2024年度再評価率による額)
(3) 報酬比例部分の給付乗率
(4) 中高齢寡婦加算額
(5) 妻Bさんの年金額(65歳到達時点、2024年度価額)
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技能検定試験問題の使用について 出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1 級学科試験 2024年9月
遺族厚生年金は、原則として死亡した被保険者が受け取る予定だった老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3に相当する額が支給されます。ここでは、報酬比例部分を計算し、最終的な遺族厚生年金額を求めます。
65歳以上で老齢厚生(退職共済)年金を受け取る権利がある方が、配偶者の死亡による遺族厚生年金を受け取るときは、「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚生(退職共済)年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較し、高い方の額が遺族厚生年金の額となります。
65歳以上で老齢厚生年金を受け取る権利がある方は、老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額が支給停止されます。
中高齢寡婦加算
①、②のいずれかに該当する妻が受ける遺族厚生年金に、40歳から65歳になるまでの間、612,000円(年額)が加算されます。
妻Bさんは、2024年9月8日時点で65歳なので、中高齢寡婦加算の対象外です。
〈答〉 227,824(円)