智子さんは、友人の母が認知症による判断能力の低下に伴い法定後見制度の利用を開始したと聞き、自身の両親も高齢であることから心配になり、FPの住吉さんに相談をした。住吉さんが作成した下記<資料>および法定後見制度等に関する次の(ア)~(エ)の記述のうち、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。
<資料>
類型 | 後見 | 保佐 | 補助 | |
要件 | 対象者 | 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者 | 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者 | 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者 |
申立て | 申立権者 | 本人、配偶者、4親等内の親族、市区町村長 など | ||
本人の同意 | 不要 | ( a ) | 必要 |
FP技能検定の試験問題の利用について 出典:日本FP協会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級実技試験(資産設計提案業務)2024年9月8日
法定後見制度等に関する問題です。
答え (ア) × 不適切
成年後見の申立に関しては、本人の同意は不要です。しかし補助の申立に関しては、後見・保佐の場合と異なり本人の同意が必要です。
本人の同意が必要な場合としては、次のようなものがあります。
答え (イ) × 不適切
法定後見制度の補助人に代理権を付与する場合、補助監督人の同意は不要です。これは、補助人が代理権を付与されている限り、重大な行為であっても、補助監督人の同意を得ることなく単独でその行為を行うことができるためです。
答え (ウ) × 不適切
後見制度支援信託は、後見制度による支援を受ける方の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みのことです。
成年後見と未成年後見において利用することができますが、保佐、補助及び任意後見では利用できません。
答え (エ) ○ 適切
平成28年の民法改正では、成年後見人による葬式は認められていませんが、火葬の許可申請は認められました。
火葬許可申立(死後事務許可の申立て)は,成年後見人に限られ,保佐人,補助人,任意後見人,未成年後見人はすることができません。
答え (ア) × 不適切 (イ) × 不適切 (ウ) × 不適切 (エ) ○ 適切