健一さんが保有する国内公募追加型株式投資信託(年1回決算)の購入と分配金の受取り状況は下表のとおりである。この投資信託の現在の1万口当たりの個別元本はいくらか。なお、記載のない取引や条件等については一切考慮しないものとする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
年月日 | 取引等の内容 | 1万口当たりの基準価額 | 備考 |
2024年2月15日 | 50万口購入 | 10,550円 | 購入時の基準価額 |
2024年3月21日 | 150万口購入 | 10,370円 | 購入時の基準価額 |
2024年5月22日 | 決算 1万口当たりの 収益分配金 500円 |
10,780円 | 収益分配金落ち前の基準価額 |
10,280円 | 収益分配金落ち後の基準価額 | ||
2024年6月13日 | 200万口購入 | 10,250円 | 購入時の基準価額 |
※2024年2月15日、3月21日および6月13日の購入は同一の販売会社で行われたものである。
FP技能検定の試験問題の利用について 出典:日本FP協会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級実技試験(資産設計提案業務)2024年9月8日
投資信託の個別元本に関する問題です。
答え 10,265(円)
個別元本とは、追加型株式投資信託の「個別元本方式」に基づいて計算される個々の受益者の元本のことです。同一ファンドを複数回購入した場合には、その都度、移動平均により個別元本が計算し直され受益者によってその額は異なります。
・2024年2月15日に50万口購入した時の基準価額は、10,550円です。
・2024年3月21日に150万口を10,370円の基準価額で追加購入しているので、この時点での個別元本は(10,550円×50万口)+(10,370円×150万口)÷200万口=10,415円になります。
・2024年5月22日に1万口あたり500円の収益分配金が支払われています。
分配後の基準価額が個別元本を上回った場合、分配金はすべて普通分配金となり、分配後の基準価額が個別元本を下回った場合、分配金のうち個別元本を下回る部分が元本払戻金(特別分配金)となります。
2024年5月22日時点での個別元本は10,415円、収益分配金落ち後の基準価額が10,280円です。
収益分配金落ち後の基準価額が個別元本を下回っているので、下回っている135円分が元本払戻金(特別分配金)に、残りの365円は普通分配金となり、分配後の個別元本は10,280円になります。
・2024年6月13日に200万口を10,250円の基準価額で購入しているので、この時点での個別元本は(10,280円×200万口)+(10,250円×200万口)÷400万口で10,265円になります。
答え 10,265(円)