FP試験一問一答 Part1(相続・事業承継)

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きんざいが制作していたFP受検対策に関する書籍は、今後制作・販売されません。

そこで、僕が実技試験対策本のKindle版セット版を制作しました。

FP1級実技試験での各質問は、簡潔かつ明確な回答が求められます。

実技試験のPart1(相続事業承継分野)で質問される基本的なトピックをまとめました。

納税資金の確保

事業承継税制

非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(特例措置)の適用を受ける後継者は、贈与の日まで引き続き3年以上にわたり対象会社の役員等の地位を有し、かつ、贈与の時において、後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有することとなることなどの要件を満たす必要があります。なお、後継者が複数いる場合、所定の要件を満たせば、最大3人まで本特例の適用を受けることができます。
仮に、先代経営者が所有する株式のすべてを後継者が贈与により取得し、本特例の適用を受けた場合、後継者は、贈与により取得した株式に対応する贈与税額の100%の納税猶予を受けることができます。

個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除の特例
個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除の特例の適用を受けた場合、後継者が先代事業者から贈与または相続等により取得した特定事業用資産に係る贈与税・相続税の100%の納税が猶予されます。本特例の適用を受けるためには、2019年4月1日から2026年3月31日までの間に個人事業承継計画を都道府県知事に提出し、確認を受ける必要があります。なお、特定事業用資産とは、先代事業者の事業の用に供されていた宅地等(400m²まで)、建物(床面積800m²まで)、その他一定の減価償却資産で、贈与または相続等の日の属する年の前年分の事業所得に係る青色申告書の貸借対照表に計上されているものです。
相続等により取得して本特例の適用を受ける事業用の宅地は、特定事業用宅地等に係る『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の対象となりません。

事業承継税制について説明してください。

後継者が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の、株式等を取得した場合の贈与税や相続税について、一定の要件を満たすと、その納税が猶予され、後継者の死亡等により、次の後継者に事業承継できた場合には、納税が猶予されている贈与税や相続税の納付が免除される制度です。

事業承継税制の、一般措置と特例措置の違いを説明してください。

特例措置については、事前の計画策定や適用期限が設けられていますが、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限の撤廃や、納税猶予割合の引上げがされているなどの違いがあります。

事業承継税制を受けるための、会社の要件を説明してください。

事業承継税制を受けるための会社の要件は、上場会社でないことです。
また、中小企業者に該当しない会社や、風俗営業会社。
資産管理会社のいずれにも該当しないことです。

事業承継税制(贈与)を受けるための、後継者の主な要件を説明してください。

事業承継税制(贈与)を受けるための、後継者の主な要件は、
贈与時に会社の代表取締役になっていること。18歳以上であること。贈与時まで3年以上、会社の役員であること。総議決権数の50%超の議決権数を保有すること。後継者が1人の場合は、後継者の議決権数が、後継者と特別の関係がある者の中で、最も多くの議決権数を保有すること。後継者が複数人の場合は、総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ、最も多くの議決権数を保有することです。

事業承継税制(相続)を受けるための、後継者の主な要件を説明してください。

事業承継税制(相続)を受けるための、後継者の主な要件は、
相続開始の直前において役員であり、相続開始から5ヶ⽉後に会社の代表取締役であること。
総議決権数の50%超の議決権数を保有すること。後継者が1人の場合は、後継者の議決権数が、後継者と特別の関係がある者の中で、最も多くの議決権数を保有すること。後継者が複数人の場合は、総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ、最も多くの議決権数を保有すること。
相続開始の直前において、会社の役員であることです。

事業承継税制を受けるための、先代経営者の主な要件を説明してください。

事業承継税制を受けるための、先代経営者の主な要件は、会社の代表取締役であったこと。
贈与(相続)の直前に、総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いた中で、最も多くの議決権数を保有していたこと。
贈与時に、会社の代表取締役でないことです。

資産管理会社とはどういった会社のことですか?

資産管理会社とは、自らが使用していない不動産や、現金・預金、有価証券など、特定の資産の保有割合が、総資産の総額の70%以上の会社や、これらの特定の資産からの運用収入が、総収入金額の75%以上の会社のことです。
ただし、資産管理会社でも、事務所や店舗などを所有、または賃借していること、商品販売等を3年以上おこなっていること、従業員が5名以上いることの、すべてを満たしていれば、資産管理会社には該当せず、事業承継税制の適用を受けることができます。
資産管理会社に該当すると、納税猶予開始の時だけでなく、経過後も納税猶予の取り消し事由に該当するので注意が必要です。

個人版事業承継税制について説明してください。

個人版事業承継税制とは、青色申告を行っていた事業者の後継者として、円滑化法の認定を受けた者が、平成31年1月1日から、令和10年12月31日までに、特定事業用資産を取得した場合は、事業の継続など、一定の要件のもと、贈与税や相続税の全額の納税が猶予され、後継者の死亡などにより、猶予された税額の納税が免除される制度です。

留意点は、事前に個人事業承継計画を都道府県庁へ提出することや、継続届出書を3年ごとに提出する必要があることです。
また、事業を廃止した場合や、取得した財産を売却した場合は、猶予された税額を納税する必要があります。
小規模宅地等の特例とは、併用することができません。

特定事業用資産について説明してください。

特定事業用資産とは、先代事業者の事業に使用されていた資産で、青色申告書の貸借対照表に計上されていたものをいいます。
宅地は400㎡までで、建物は床面積800㎡までです。
その他にも、減価償却資産で、固定資産税の課税対象とされているものや、自動車税・軽自動車税の営業用の標準税率が適用されるもの、乳牛・果樹等の生物、特許権等の無形固定資産が対象です。

個人版事業承継税制を受けるための、主な要件を説明してください。

個人版事業承継税制を受けるための主な要件は、後継者が贈与の日において18歳以上であること。
円滑化法の認定を受けていること。
3年以上事業に従事していたこと。
贈与税の申告期限において、開業届出書を提出し、青色申告の承認を受けていること。
特定事業用資産に係る事業が、資産管理事業や、性風俗関連特殊営業に該当しないことです。

資産管理事業について説明してください。

資産管理事業とは、自らが使用していない不動産や、現金・預金、有価証券など、特定の資産の保有割合が、総資産の総額の70%以上の事業や、これらの特定の資産からの運用収入が、総収入金額の75%以上の事業のことです。

個人版事業承継税制と、小規模宅地等の特例の関係について説明してください。

小規模宅地等の区分が、特定事業用宅地等の場合、個人版事業承継税制の適用を受けることはできません。

個人版事業承継税制と小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)の主な違いを説明してください。

主な違いは、小規模宅地等の特例は、相続のみが対象で、400㎡までの宅地が、課税価格の80%減額されます。個人版事業承継税制は、事前の計画策定など、個人事業承継計画の提出が必要です。
適用期限があり、平成31年1月1日から令和10年12月31日までの贈与・相続でなければなりません。
また、対象資産は、宅地は400㎡まで、建物は床面積800㎡までが対象で、100%納税猶予できます。

事業承継

事業承継の種類

親族内承継について説明してください。

親族内承継とは、経営者の親族、子どもや、兄弟姉妹・配偶者・兄弟姉妹の配偶者などに対して事業承継する方法です。

親族内承継のメリットは、現経営者の子どもが事業承継すると、従業員・取引先の理解を得やすいことや、銀行など資金提供者の支援を得やすいことです。
また、準備期間を長く確保できるため、長期的に後継者教育を行えることや、財産や株式が分散しないため、所有と経営の一体的な承継が可能な点も、親族内承継のメリットです。

親族内承継のデメリットは、親族だからといって、経営者としての能力が十分かどうかわからないことです。後継者に経営者としての能力が不足している場合には、後継者育成が困難になります。
また、後継者候補が複数人いる場合に、親族内でトラブルとなる可能性があることも、親族内承継のデメリットです。

親族外承継(社内事業承継)について説明してください。

親族外承継(社内事業承継)とは、役員や従業員に対して事業承継する方法です。

親族外承継のメリットは、役員や従業員は、長く経営者とともに働いているため、後継者としての資質が担保され、社風や経営戦略が大きく変わる可能性が低いことです。
また、経営者としての能力がある人材を、社内から選んで後継者に据えられるので、従業員や会社関係者、取引先からの理解を得やすく、事業を好転させられます。

親族外承継のデメリットは、後継者の資金力不足など、後継者の負担が大きく、事業承継を拒まれてしまう可能性があることです。
また、社内で権力争いが起こることや、株式譲渡の際に、親族から反対される可能性もあります。

経営者保証が事業承継の妨げとなる理由として、どのようなことが考えられますか?

経営者保証とは、金融機関から融資を受けるときに、経営者個人が連帯保証人となることです。経営者保証をそのまま後継者が引き継ぐことになった場合、会社が倒産したときには、経営者が借入金を返済しなければなりません。会社の債務について、後継者が無限責任を負うのと近い状態になってしまうため、経営者保証が事業承継の妨げとなります。

事業承継に際して、経営者保証を提供している場合の解決策を説明してください。

経営者保証の解決策として、経営者保証に関するガイドライン、及び特則の内容をよく検討し、会社を整備することで、経営者保証なしの融資を検討します。
ガイドラインの適用対象は、主債務者が中小企業であること。
保証人が個人であり、主債務者である中小企業の経営者であること。
主債務者である中小企業と、保証人であるその経営者が、弁済に誠実で、債権者の請求に応じて負債の状況を含む財産状況を、適切に開示していること。
主債務者と保証人が反社会的勢力ではなく、そのおそれもないことです。
ガイドラインに適用する経営状況であれば、既契約の融資についても、事業承継の際や、融資条件の見直し、借り換えなどの際に考慮されることになり、経営者保証なしでも、融資を受けられる可能性が高まります。

M&A

M&Aについて説明してください。

M&Aとは、企業や個人などの第三者が企業を買収することです。M&Aを実行すれば、買い手側に経営権を譲渡し、自社の経営を引き継いでもらえます。
M&Aには、合併、株式交換、移転、会社分割、株式譲渡、事業譲渡などの種類があり、中小企業では比較的簡単な、株式譲渡によるM&Aが多く行われています。
株式譲渡が行われると、一般的には株主と社長がかわりますが、企業は存続して事業を承継し、資産や負債、許認可の移転手続きも不要です。
また、社名や取引先、顧客なども変わらないため、見た目でわかるような変化はありません。

M&Aのメリットは、事業承継先を幅広く探すことができることです。
雇用関係や残債務なども、そのまま引き継いでもらうことが可能で、経営者は、株式の譲渡対価として受け取った、まとまった資金を、老後の生活資金、あるいは新しい事業の立ち上げ資金として活用できます。
また、自社の経営が安定化する可能性もあり、ブランド力や人材の獲得などもメリットになります。

M&Aのデメリットは、適切な買い手を探すことや、その後の交渉が難しいことです。
また、従業員や取引先との関係が悪化してしまう可能性があり、経営の一体性を保つのが難しいこともデメリットになります。

株式譲渡について説明してください。

株式譲渡とは、買い手企業が、売り手企業の株主から株式を買収し、経営権を引き継ぐM&Aの手法です。
株式譲渡は、あくまで経営権を取得するための手法なので、会社の株主が変わるだけで、それ以外の変化はありません。
株式譲渡のメリットは、手続きが比較的簡単で、株式の取得が完了すると、すぐに事業活動を開始できることです。また、売却益への税金が事業譲渡と比べ抑えられるので、創業者利益が最大化しやすくなります。
デメリットは、会社全体が取引対象になるため、不採算事業があるとマイナス評価となり、譲渡価額が減ってしまいます。また、負債が大きすぎる場合は買い手が見つかりにくい場合があります。

事業譲渡について説明してください。

事業譲渡とは、売り手企業の事業の一部、または全部を買収するM&Aの手法です。
事業を運営するために必要な、設備や建物などだけでなく、取引先・従業員・知的財産・顧客リストなども買収の対象となります。
メリットは、売却したい特定の事業を売却することができるので、不採算部門を切り離すことができ、負債があっても譲渡先が見つけやすくなります。
デメリットは、取引先や従業員を買い手企業に引き渡す必要があり、これまで大切にしてきた関係者が切り離されてしまうことです。

会社分割について説明してください。

会社分割とは、会社を事業ごとに分割し、分割した事業を買い手企業に承継するM&Aの手法で、吸収分割と新設分割の2種類があります。
メリットは、契約をそのまま買い手企業に承継できることや、買い手企業に買収資金がなくても実施できるという点です。
しかし、売り手企業から承継した事業に簿外債務があった場合は、その債務も同時に承継することになったり、株主総会の特別決議が必要になるなど、手間やリスクを抱えるというデメリットがあります。

株式交換について説明してください。

株式交換とは、売り手企業の全株式と、買い手企業の株式を交換することで、完全親子会社関係となるM&Aの手法です。
メリットは、現金を交付しない場合、資金準備の必要がないことや、スクイーズアウトによって、株主全員が賛成しなくても完全子会社化できるという点です。
デメリットは、手続きが煩雑で手間がかかることや、不要な資産や負債も引き継がなければならないことです。

合併について説明してください。

合併とは、複数の会社を1つの会社に統合するM&Aの手法です。
メリットは、複数の事業が1つになることで、個別に事業を行うよりも、大きな効果を発揮することができます。
デメリットは、同業他社との合併では、顧客の重複が生じる場合があり、顧客にとっては取引先が1社となるため、取引量や取引回数を縮小される場合があります。

インカムアプローチについて説明してください。

インカムアプローチとは、将来見込まれる収益を予測して、現在の企業価値に換算した算出方法です。
メリットは、将来的な収益性や、買い手とのシナジー効果を加味できる点です。
デメリットは、売主の主観が入りやすく、客観的な企業価値を求めにくい点です。
具体的な手法として、将来的に得られるキャッシュフローを加味した、DCF法と、企業の事業計画書に基づいて算出する、収益還元法などがあります。

マーケットアプローチについて説明してください。

マーケットアプローチとは、市場が決めた企業価値や、競合他社を基準に企業価値を算出する方法です。
具体的な手法として、類似会社比準法、市場株価平均法などがあります。メリットは、三種類あるアプローチの中で、最も客観性が高く、誰でも簡単に利用できます。
デメリットは、類似会社比準法は、事業内容が類似する企業がいないと利用しにくく、市場株価平均法は、短期的な市場の動きに左右されやすい点です。

コストアプローチについて説明してください。

コストアプローチとは、企業の純資産を基準に企業価値を決める、M&Aの評価基準です。具体的な手法として、時価純資産法、簿価純資産法などがあります。
メリットは、客観性の高い企業価値を算出できる点です。
デメリットは、将来の収益性や買い手とのシナジーをほぼ加味しないため、将来性が高い企業や、シナジーが見込まれる企業の企業価値評価には適していません。

M&Aにおける、役員退職金の関係について説明してください。

M&Aにおける役員退職金の関係は、役員退職金と株式譲渡益では課税制度が異なるため、一定金額までは退職金で受取るほうが税負担が軽くなります。
また、買手企業にとっては、退職金を損金算入することで、節税にもつながります。

役員退職金を支給する、メリットやデメリットを説明してください。

役員退職金を支給するメリットは、利益を圧縮して法人税の負担を減らせること。自社株の評価を引き下げること。役員自身も税負担を低く抑えられることです。
デメリットは、現金支給になるため資金調達が必要なこと。損金算入が認められなくなる恐れがあるので、経営者は完全に経営から手を引く必要があることや、高額な退職金の支給は否認される場合があることです。

M&Aにおける譲渡価額を説明してください。

M&Aの譲渡価額は、企業価値評価を行い、客観的・合理的な企業の価格を算出します。
企業価値評価の方法は、インカムアプローチ、マーケットアプローチ、コストアプローチの三種類があります。

M&Aにおける譲渡代金には、どのような税金がかかりますか?

M&Aで株式を売却した場合には、所得税と住民税が課税されます。
株式譲渡ではなく、事業譲渡を採用した場合には、発生した利益に法人税が課税されます。
その他にも、消費税や不動産取得税、登録免許税、印紙税などの流通税が課税されるケースもあります。

役員借入金の削減対策には、どのような方法がありますか?

役員借入金の削減対策として、債務免除、DESの実行、役員給与の減額があります。
債務免除とは、役員側が債権放棄をすることです。会社側は特別利益として債務免除益が計上されますが、繰越欠損金がある場合は相殺されます。
DESとは、債務と資本を交換することです。
DESを行うことで、会社の財務状態が改善でき、役員からの債務については、元本の返済と利息の支払い義務がなくなります。
ただし、資本金が増加すると、それに伴う税負担の増加も考えられます。
役員給与を減額する場合、減額相当分を借入金の返済として役員に支給していきます。
役員給与を減額した場合、所得税や住民税、社会保険料が減少するメリットがありますが、役員借入金の返済は経費とならないため、減額した分だけ会社には利益が計上されます。また、時間がかかることにも注意が必要です。

退職金を土地などで現物支給した場合について説明してください。

退職金を土地などで現物支給した場合、退職金額と土地の簿価との差額が、譲渡益になる場合には益金、譲渡損となる場合には損金となります。
注意点は、退職金として不動産を取得した場合には、不動産取得税と登録免許税がかかることです。
また、退職金を現金で支払うことを決めた後に、不動産で支払うこととした場合は、代物弁済とみなされ、消費税の課税対象となってしまうことにも注意が必要です。

役員退職金の支払によって損金が計上されると、利益が減少することによって株式評価額が下がります。
また、会社所有の土地を退職金として支給すると、税務上、土地はその支給時の時価で評価されることになります。
土地に含み損がある場合、退職金の他に、その含み損も顕在化させ、純資産と利益をともに圧縮することができ、株式評価額が下がります。

円滑な遺産分割

遺言書

遺言
民法に定める自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のうち、公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成します。自筆証書遺言は、遺言者が、原則としてその全文、日付および氏名を自書し、これに押印して作成します。自筆証書遺言には、 自筆証書遺言書保管制度があり、同制度により法務局に保管された自筆証書遺言については、遺言者の相続開始時に家庭裁判所における検認の手続が不要になります。
公正証書遺言では、遺言書の作成時に、正本1通と謄本1通の交付を受けるのが通常であり、これを利用して遺言執行を行うので、遺言者の死後に、改めて遺言書の謄本を請求する必要はありません。一方、自筆証書遺言書保管制度では、法務局で保管された自筆証書遺言について、写しは手元に残りません。遺言者の相続開始後に、相続人等が、一定の書類を添付して遺言書情報証明書の交付請求をし、交付受けた遺言書情報証明書を用いて遺言執行を行います。

遺言書を発見した場合の手続きについて説明してください。

遺言書を発見した場合は、遺言書を家庭裁判所に提出し、検認を請求しなければなりません。
ただし、公正証書遺言や、法務局で保管されている、自筆証書遺言に関して交付される遺言書情報証明書は、検認の必要はありません。
検認とは、遺言書の内容を明確にし、偽造、変造を防止するための手続きで、遺言の有効や無効を判断することではありません。

自筆証書遺言保管制度について説明してください。

自筆証書遺言保管制度とは、自筆証書遺言を法務局に保管できる制度で、保管されている遺言書は家庭裁判所の検認が不要になります。また、相続人等の中で、誰か一人でも遺言書情報証明書の交付を受けたり、遺言書の閲覧をした場合には、その他の全ての相続人に対して、遺言書が保管されている通知が届きます。
ただし、証人がいないので自筆証書遺言の内容の有効性が争われたり、代理人では保管の申請はできず、必ず本人が法務局に出向く必要があるので注意が必要です。

相続手続き

法定相続情報証明制度について説明してください。

法定相続情報証明制度とは、被相続人と、法定相続人の関係を、法務局の登記官が認証するものです。
相続手続きでは、届け出先ごとに、相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や、住民票を提出しなければなりません。
法定相続情報証明制度では、相続関係を一覧にした、法定相続情報一覧図を作成し、戸籍謄本を法務局に提出すると、認証文付きの法定相続情報一覧図の写しが交付されます。
交付された法定相続情報一覧図の写しは、相続登記の申請手続きや、被相続人名義の預金の払い戻しなど、様々な相続手続きに利用できるので、戸籍謄本を何度も提出する必要がなく、相続手続きにかかる相続人や、手続きを行う窓口、双方の負担が軽減されます。
法定相続情報一覧図は、相続手続きに必要な部数を無料で発行することができます。また、有効期限は発行から6ヶ月以内ですが、5年間の保管期間中は、一覧図の写しが再発行できます。

再転相続について説明してください。

再転相続とは、当初の相続における相続人が、熟慮期間中に、相続放棄や単純承認をする前に死亡し、次の相続人が相続したケースのことです。
再転相続の場合、当初の相続だけを承認して、次の相続を放棄することはできません。

数次相続について説明してください。

数次相続とは、相続が発生後、遺産分割協議が終わらないうちに、相続人の一人が亡くなり、次の相続が発生してしまうことです。
再転相続と数次相続の違いは、再転相続は、法定相続人が当初の相続を承認するか、放棄するか、選択する前に亡くなる場合ですが、数次相続は、法定相続人が当初の相続について、承認したものの、具体的な遺産分割を行う前に亡くなってしまった場合のことです。

立て続けに相続が発生した場合、いつまでにどのような手続きをすればよいですか?

立て続けに相続が発生し、相続税の申告義務のある者が、申告書を提出しないで亡くなった場合には、その相続人が、申告・納税義務を承継します。
申告義務を承継して申告する場合の期限は、申告書を提出しないで亡くなった人の、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。

相続手続きをしないまま立て続けに相続が発生した場合、相続手続きや遺言書はどのように取り扱いますか?

立て続けに相続が発生した場合、例えば、父親の死亡後、相続手続きを放置したまま母親が死亡したとすると、母親の相続人が相続手続きを行います。
また、このケースで母親が遺言書を作成していた場合は、母親が死亡するより前に父親が死亡しているので、遺言書の父親に該当する部分は無効になります。

配偶者居住権について説明してください。

配偶者居住権とは、配偶者が相続開始前から住んでいた、被相続人所有の建物は、配偶者がその建物の権利を相続しなくても、配偶者に建物の使用を認めるという制度です。
配偶者居住権の設定をしていないと、配偶者が自宅を相続した場合に、預貯金の取得割合が少なくなります。配偶者居住権を設定すると、自宅に住み続ける権利である敷地利用権と、配偶者居住権付きの敷地所有権とに分けて相続することができ、配偶者も預貯金を得ることが可能になります。
ただし、配偶者居住権には登記が必要で、譲渡ができません。配偶者が施設に移るなど、自宅に住まなくなった場合に、賃貸として賃料を得ることは可能ですが、自宅を売却して費用を捻出することはできません。

家族信託について説明してください。

家族信託とは、将来、認知症などで判断能力が低下し、自分で自分の財産管理ができなくなってしまった時に備えて、財産の所有権のうち、管理する権利だけを信頼できる家族に移すことです。
受益権は、そのまま所有者に残しておけるので、例えば、親所有の賃貸アパートの家賃や、売却代金を老人ホームの費用に充て、その管理は子供に任せるということが可能です。

成年後見制度について説明してください。

成年後見制度とは、認知症などにより、判断能力が低下してしまった人に代わって、その人の財産管理や、法律行為を行うことができる制度です。後見人は好きな相手に頼むことができますが、公正証書による契約が必要です。
後見制度には二種類あり、本人が元気なうちに、将来、認知症になった時のために、後見人を選んでおくことのできる、任意後見制度と、既に判断能力が低下してしまったあとに、後見人を家庭裁判所が選ぶ、法定後見制度があり、本人の能力に応じて、補助、補佐、後見の三段階に分類されます。

遺留分の民法特例について説明してください。

遺留分に関する民法の特例とは、一定範囲内の親族には、遺留分によって、最低限の相続財産が保障されているので、相続人が複数人存在する場合には、自社株が分散して、経営に関わる意思決定に支障をきたすおそれがあります。
遺留分に関する民法の特例を利用することで、非上場株式を遺留分の計算から除外できる、除外合意や、遺留分の計算に占める自社株の金額を、合意時の価額に固定する、固定合意を実施できます。
二つの合意を併用することで、株価の上昇を心配することなく、後継者が株式を取得できるようになります。

除外合意について説明してください。

除外合意とは、遺留分算定基礎財産から、贈与された株式を除外するもので、合意した他の相続人は、遺留分の主張ができなくなり、相続による株式の分散を防止できます。

固定合意について説明してください。

固定合意とは、遺留分算定基礎財産に算入する価額を、合意時の価額に固定するものです。
この合意をすると、株式の価額が上がっても、遺留分には影響しないので、想定外の遺留分の主張を防止できます。

固定する合意時の時価については、証明が必要ですか?

固定する合意時の時価は、税理士、 公認会計士、弁護士などによる、合意の時における相当な価額であることの証明が必要です。

遺留分に関する民法特例の適用を受けるために必要な、手続について説明してください。

遺留分に関する民法の特例を受けるための手続は、経営者の推定相続人全員と、後継者が合意し、合意書を作成します。
次に、合意をした日から1カ月以内に、遺留分に関する民法の特例に係る確認申請書に、必要書類を添付して、経済産業大臣へ申請します。
申請後に確認書の交付を受け、確認を受けた日から、1カ月以内に家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所の許可を得ます。

税額の軽減対策

生前贈与

配偶者に対する相続税額の軽減
配偶者に対する相続税額の軽減とは、被相続人の配偶者が相続等により取得した財産の金額が、原則として、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額を超えない限り、配偶者の納付すべき相続税額が算出されない制度です。
本制度は、原則として、相続税の申告期限までに分割されていない財産は対象になりません。ただし、相続税の申告書に『申告期限後 3年以内の分割見込書』を添付したうえで、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から 3 年以内に分割したときは、本制度の対象になります。また、相続税の申告期限から 3 年を経過する日までに分割できないやむを得ない事情があり、所轄税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4カ月以内に分割されたときも、本制度の対象になります。
相続税の申告後に行われた遺産分割に基づいて本制度の適用を受けるためには、分割が成立した日の翌日から 4 カ月以内に更正の請求をする必要があります。

相続時精算課税制度について説明してください。

相続時精算課税制度とは、贈与者が60歳以上の父母または祖父母、受贈者は18歳以上で、贈与者の子や孫などに限られます。
税率は、1人の贈与者につき2,500万円を超える分の贈与は、一律20%の贈与税が課されます。
相続の際は、相続時精算課税により贈与された財産と、他の相続財産との合計額に対して相続税が計算され、贈与された財産は、贈与時より値上がりしていても、値下がりしていても、贈与時の価格で評価されます。
したがって、相続時精算課税制度による株式移転を行うと、相続発生時に株式評価額が上昇していても、贈与時の価格で評価されるので、相続税負担の軽減が期待できます。

相続時精算課税制度の見直しについて説明してください。

今回の改正で、相続時精算課税制度に、年110万円の基礎控除の枠が加わります。2024年1月1日以降、相続時精算課税制度を選択した人への贈与でも、年110万円までなら、贈与税も相続税もかからず、贈与税の申告も不要になります。

生前贈与加算の適用期間の延長について説明してください。

生前贈与した場合は、亡くなる3年前までの贈与財産に対して、全額が相続税の課税対象となりますが、2023年度の税制改正により、2024年1月1日以降に生前贈与した場合は、亡くなる4年~7年前の贈与財産に対しては、100万円を除いた全額、亡くなる3年前までの贈与財産に対しては、全額が相続税の課税対象となります。
生前贈与加算対象期間が延長されることで、相続開始から7年以内に行われた生前贈与に対しては、相続財産に加算されることがあります。

教育資金の一括贈与の特例について説明してください。

教育資金の一括贈与の特例とは、子や孫に教育資金を贈与する場合、1人につき1,500万円までを非課税とする特例です。
適用期限は3年間延長され、2026年3月31日までとなりました。また、孫が30歳になった時点で使い残しがあれば、贈与税の課税対象となりますが、この使い残しに一般税率が適用されることとなりました。

贈与税の配偶者控除の特例について説明してください。

贈与税の配偶者控除の特例を活用すると、婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けた場合、贈与税の基礎控除、110万円と合わせて、最高で2,110万円まで贈与税がかかりません。
ただし、不動産を取得すると不動産取得税や登録免許税がかかります。
また、同じ配偶者からの贈与については、一生に一度しか適用を受けることができず、配偶者が先に亡くなると相続税が増える可能性があります。

贈与税の配偶者控除の特例の要件を説明してください。

贈与税の配偶者控除の特例の要件は、夫婦の婚姻期間が、20年を過ぎたあとに贈与が行われたこと。
配偶者から贈与された財産が、自分が住むための居住用不動産、または、居住用不動産を取得するための金銭であること。
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた者が住んでおり、その後も引き続き住む見込みであることです。

不動産管理会社の設立

不動産管理会社を設立する、メリットを説明してください。

不動産管理会社を設立するメリットは、相続税の財産評価で有利になること。
所得分散ができること。
広い範囲で経費が認められること。
相続財産をスムーズに承継できることです。

オーナーが死亡した際は、不動産ではなく、資産管理会社の株式を相続することになるので、相続税の計算上、不動産の評価よりも資産管理会社の株式の方が、低い価格で評価することができます。
また、オーナーが得るはずだった所得を管理会社が得ることで、オーナーの所得を低く抑えることができます。
家族を管理会社の役員にすることで、役員報酬という形で、会社の所得を家族に分散させることができます。
個人で不動産を保有する場合は、不動産管理に直接関係のあるものだけが、必要経費として認められますが、資産管理会社では、間接経費も経費として計上することができます。
個人で保有していた不動産を相続する場合は、登記が必要で、登記費用がかかります。生前に贈与する場合は、登記費用のほかに不動産取得税も必要になります。しかし、不動産管理会社の場合は、不動産ではなく株式を相続や贈与するので、登記の手間と費用はかかりません。

不動産管理会社を設立する、デメリットを説明してください。

不動産管理会社を設立するデメリットは、会社を経営するための事務作業が煩雑になり、それらを、税理士や社労士などの専門家に依頼する場合は、コストもかかります。
また、法人化後すぐに相続が発生すると、キャッシュの増加により、税負担が増える可能性もあります。

不動産管理会社を設立したほうが、税負担が軽減できる理由を説明してください。

不動産管理会社を設立したほうが、税負担が軽減できるのは、個人の場合、所得税の税率は、所得金額が大きくなるほど高くなる、累進課税方式となります。
不動産管理会社を設立して法人化すると、個人による所得税の課税ではなく、法人税としての課税となるため、所得金額が一定額を超えると、法人税の税率のほうが低くなります。
また、不動産管理会社から給料を受け取った場合は、収入金額から給与所得控除が計算され、税負担が軽減できます。

相続対策としての不動産管理会社を設立する場合、どのような方法がありますか?

相続対策として不動産管理会社を活用する場合、一般的な形態として、不動産所有方式、管理会社方式、サブリース方式があります。

不動産所有方式について説明してください。

不動産所有方式とは、個人が所有する不動産を管理会社に売却し、管理会社が不動産を所有する形態です。
管理会社が土地と建物を所有する方法と、建物だけを管理会社が所有する方法があります。
土地、建物ともに管理会社が所有する場合には、収益がすべて管理会社に入るため、オーナーの財産が増えるのを抑える効果が大きくなります。
ただし、土地に含み益があると譲渡所得税がかかるので、注意する必要があります。
建物だけを管理会社が所有する場合には、一般的には建物に含み益は発生しても少額なので、譲渡所得税の負担はそれほど大きくありません。
ただし、土地を無償で管理会社に貸し付けると借地権の認定課税となる場合があります。借地権の認定課税が行われないように、土地の無償返還に関する届出書を提出するようにします。

借地権の認定課税を回避する方法を説明してください。

借地権の認定課税を回避する方法は、管理会社がオーナーに権利金を支払う方法があります。他にも、相当の地代として、地価の6%に相当する地代を支払う方法や、管理会社とオーナーで、土地の無償返還に関する届出書を税務署に提出する方法があります。

土地の無償返還に関する届出書を税務署に提出した土地については、どのように評価しますか?

土地の無償返還に関する届出書を、税務署に提出した土地については、自用地価額の80%で評価します。
ただし、無償返還の届出書の提出がある場合でも、使用貸借の場合は自用地評価となります。

管理会社方式について説明してください。

管理会社方式とは、不動産の所有は個人のままで、管理会社に設備などの管理を委託する形態です。収益は個人に入りますが、その中から管理会社に管理費を支払うことになるので、所得の分散効果が期待できます。
管理会社方式のメリットは、不動産の売却手続きが必要なく、手続きが容易な点です。
デメリットは、不動産はオーナー個人が所有することになるので、相続税の節税効果はあまり期待できません。

サブリース方式について説明してください。

サブリース方式とは、不動産の所有はオーナーのままで、管理会社に一括で貸し付ける形態です。
収益は管理会社のもとに入り、管理会社はそのうちから個人に賃料を支払います。
サブリース方式のメリットは、管理会社が空室リスクを負う仕組みになっているので、空室の有無に関わらず、個人の収益は安定することです。
また、一括貸付なので、空室があっても賃貸割合は100%で評価額を計算できることです。
デメリットは、他の形態と比べ収益性が低いことです。
サブリース方式は、不動産はオーナー個人が所有することになるので、相続税の節税効果はあまり期待できません。

株主構成 自社株対策

取引相場のない株式の評価上の区分
非上場株式の相続税評価額を計算するうえでの会社規模は、業種、総資産価額、従業員数、直前期末以前1年間における取引金額(売上高)により判定します。正社員の積極採用を計画しているX社の従業員数が70人以上になれば、X社の会社規模は大会社と判定されます。また、従業員数が70人未満であっても、直前期末以前1年間における取引金額(売上高)が15億円以上になれば、大会社と判定されます。

株式の移転
株式の移転方法には、相続時精算課税制度の活用、非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例の活用、長男CさんがAさんから買い取るなど、いくつかの方法を検討することができますが、X社株式の相続税評価額を引き下げてから実行に移すことが肝要です。
Aさんに対する役員退職金の支給は、1株当たりの利益金額を引き下げる効果が大きいと思われます。1株当たりの利益金額を引き下げるために、新会社を設立するなど、高収益部門を分社化することも検討することができますが、設立した新会社は、開業後3年未満の会社に該当し、原則として、当該株式は純資産価額方式により評価されます。
役員退職金の支給は、純資産額も減少させます。また、純資産額を減少させる効果を目的に、賃貸物件を購入する対策も考えられますが、3年以内に取得した土地および建物は、相続税評価額ではなく、通常の取引価額(取得価額)により評価することに注意してください。

特定の評価会社には、『株式等保有特定会社』『土地保有特定会社』のほか、『比準要素数1の会社』『開業後3未満の会社』などがあります。評価会社が特定の評価会社に該当した場合、その株式は、原則として、純資産価額方式により評価します。ただし、『株式等保有特定会社』や『土地保有特定会社』の株式であっても、同族株主以外の株主等が取得した場合には、その株式は配当還元方式により評価します。
『株式等保有特定会社』は、課税時期において評価会社の総資産価額(相続税評価額)に占める株式等の価額の合計額(相続税評価額)の割合が50%以上である会社をいいます。
『土地保有特定会社』は、課税時期において評価会社の総資産価額(相続税評価額)に占める土地等の価額の合計額(相続税評価額)の割合(土地保有割合)が評価会社の規模に応じて定められた一定割合以上である会社をいいます。土地保有特定会社に該当する土地保有割合は、評価会社が大会社である場合、70% 以上とされ、評価会社が中会社である場合は90%以上とされています。
『比準要素数1の会社』は、評価会社の類似業種比準価額の計算の基となる『1 株当たりの配当金額』『1株当たりの利益金額』『1株当たりの純資産価額(帳簿価額)』のそれぞれの金額のうち、いずれか2要素がゼロであり、かつ、直前々期末を基準にしてそれぞれの金額を計算した場合に、それぞれの金額のうち、 いずれか2要素以上がゼロである会社をいいます。『比準要素数1の会社』の株式を同族株主が取得した場合、その株式は、原則として、純資産価額方式により評価しますが、納税義務者の選択により、『類似業種比準価額×0.25+1株当たりの純資産価額×(1-0.25)』の算式により計算した金額によって評価することができます。

株主総会の特別決議とは、原則として、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の 3分の2以上に当たる多数をもって行われる決議です。X社株式をX社に譲渡した場合、譲渡価額のうち当該株式に対応する資本金等の額を超える部分の金額については、配当所得として総合課税の対象となります。
X社株式を相続により取得した場合、X社が定款の定めによりX社株式の売渡請求を行うときは、X社は相続があったことを知った日から 1年以内にしなければなりません。

非上場株式の評価方法を説明してください。

非上場株式の評価方法は、会社の規模に応じて、類似業種比準方式、純資産価額方式、併用方式に分けられ、同族以外の株主が取得した場合は、例外的に、配当還元方式が用いられます。

自社株評価を引き下げる方法は、どのようなことが考えられますか?

含み損のある資産を売却することで、譲渡損失が発生し、純資産を減らすことができます。
類似業種比準方式では、帳簿上の金額を参照するので、含み損があっても簿価で計算することになります。
含み損のある資産の売却で、現金は入ってくるものの、譲渡損失の分だけ、類似業種比準方式での純資産を減らすことができます。また、譲渡損失を出したことで利益も圧縮できるようになります。
譲渡損失は純資産に限らず利益まで減らせるので、類似業種比準方式での株価対策には有効です。

金庫株について説明してください。

金庫株とは、会社自身が発行した株式を買い戻して保有している状態です。
通常、株式を発行会社に売却した場合には、総合課税として、最高55%の税率で課税されてしまいます。しかし、株式を相続した人が、相続が発生してから3年10ヶ月以内に、その株式を発行会社に売却した場合には、本来、総合課税とされるところが、20.315%の分離課税となるので、税金コストを抑えて譲渡することが可能です。
金庫株の活用で留意する点は、剰余金の分配可能額を超えて、自社株の取得を行うことができないことです。
剰余金の分配可能額とは、累積されてきた税引後利益の合算ですが、この範囲でしか金庫株の買取はできません。また、純資産の金額が300万円を下回る際には、剰余金の配当ができないという制限があります。
実際に金庫株を買い取る際には、現金が必要になるので、会社のキャッシュフローに悪影響が出るかもしれません。

株主構成や、自社株評価の現状分析が必要なのはどうしてですか?

株主構成や自社株評価の現状分析が必要なのは、円滑な事業承継の実現には、自社株の算定が重要で、その算定方法が、会社規模や株主構成次第で異なるからです。
自社株の算定方法は、株式取得者が、同族株主の場合は原則的評価方式、同族株主以外は特例的評価方式で株価を算定します。

同族株主について説明してください。

同族株主とは、株主の1人と、その同族関係者の議決権の合計数が、議決権総数の30%以上である場合の、その株主と同族関係者(株主の親族やその株主が支配している会社など)のことです。
ただし、議決権割合が50%超となる株主グループがある場合は、そのグループ以外のグループは、たとえ30%以上の議決権割合であっても、同族株主にはならず、その50%超のグループに属する株主のみが同族株主となります。

原則的評価方式について説明してください。

原則的評価方式は、会社の規模によって、大会社、中会社、小会社の規模に分類され、規模に応じた評価方法を使います。

比準要素数1の会社について説明してください。

比準要素数1の会社とは、類似業種比準方式の、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額、1株当たりの純資産価額の、3つの比準要素のうち、評価直前期末の要素の、いずれか2つがゼロであり、かつ、評価直前々期末の要素の、いずれか2つ以上がゼロである会社のことです。

比準要素数1の会社を回避する方法を説明してください。

比準要素数1の会社を回避する方法は、配当をしておらず、2 期連続で利益がマイナスになるような場合で、簿価純資産が十分な会社であれば、配当を出したり、場合によっては含み益の多い資産を売却して、利益を出すことによって、回避することができます。

株式等保有特定会社について説明してください。

株式等保有特定会社とは、財産評価基本通達によって、会社の総資産価額を算出し、総資産価額に対する株式等の割合が、50パーセント以上となる場合に該当します。
株式等保有特定会社として該当した場合、該当しないケースの評価方法と比較して、評価額が高くなる傾向にあり、納めるべき税金も一般的に高く算出されることになります。

株式等保有特定会社に該当しないようにするためには、どのような方策が考えられますか?

株式等保有特定会社に該当しないようにするためには、株特外しを検討します。
株特外しとは、総資産に対する株式等の比率を50%未満にして、株式等保有特定会社から外すことです。
株特外しには、借入を行い、総資産内の株式の割合を下げる方法のほか、株式ではない資産、不動産などを購入する方法があります。
ただし、税務署から課税逃れのために、株特外しを行ったと判断される場合があるので、事業を行うために資産を増やす必要があったとの、正当な理由が必要です。
また、資産の構成を無理に変えてしまい、株特外しのために、本来必要のない資産を購入し、節税効果以上の損失を出してしまわないように注意が必要です。

特例的評価方式について説明してください。

特例的評価方式とは、事業承継の際に、同族株主でない人物が、株式を引き継ぐ場合の株価算定方法で、事業承継を行う企業の規模に関係なく、一律に配当還元方式によって株価を算定します。

株式会社における支配権について説明してください。

支配権とは、会社を実質的に支配する権利で、株式会社では、持株比率によって株主が行使できる権利が異なり、一定以上の持株比率を有すると、会社のあらゆる事項を、自身の一存で決定できるようになります。
事業承継では、先代の経営者から後継者に対して株式を移転します。
株式が分散していると持株比率も分散していることになり、会社の意思決定をスムーズに実行できない可能性があります。最低でも3分の2以上、可能であれば、100%の株式を経営者が保有していることが推奨されます。

経営に必要な議決権割合について説明してください。

経営に必要な議決権割合について、一般的には議決権のある株式の、2分の1超を所有していると、株主総会の普通決議を、自身の判断で成立させることができます。
株主総会の普通決議には、取締役、監査役の選任、役員報酬、剰余金の配当、準備金の減少などが含まれます。
また、議決権のある株式の3分の2以上を所有していると、株主総会の特別決議を成立させることができるため、実質的に会社を支配することができ、経営に必要な議決権割合を確保しているといえます。

代表者を選任する方法を説明してください。

代表者の選任は、取締役会を通じて行われます。残った取締役が3人以上いれば、取締役会で、その中から新しい代表取締役社長の選任決議をすることができます。
残った取締役が3人未満の場合には、代表取締役社長の選任はできません。
その場合には、株主総会で3人目の取締役を選任後、取締役会で代表取締役を選任する必要があります。
新たな代表取締役社長が決定した後は、2週間以内に代表取締役変更の登記を行い、後継者の選任手続きを完了させます。

取締役会が設置されていない場合の、代表者を選任する方法を説明してください。

代表者を選任する際に、取締役会が設置されていない場合は、原則として株主総会により代表取締役を選任します。
定款に代表取締役の定めがある場合や、取締役の互選が認められている場合は、定款に応じた手続きで選任します。

少数株主対策が必要なのはどうしてですか?

少数株主対策が必要なのは、少数株主も会社法上、株主権が認められているからです。通常時は問題にならなくても、事業承継、相続発生時など、会社として重要な意思決定をする際に、少数株主の存在により、会社運営に支障をきたす可能性があります。
少数株主対策としては、売買などによって、他の株主の保有する株式を任意に取得する方法や、スクイーズアウトを実行し、少数株主から強制的に株式を取得する方法があります。

スクイーズアウトについて説明してください。

スクイーズアウトとは、株主から個別に同意を得ることなく、金銭を対価として株式を取得することです。反対意見を持つ少数株主から、株主の地位を失わせるために行われます。
株主総会の決議では、出席株主の過半数、または、3分の2以上の合意が必要ですが、少数株主の反対意見によって、会社の迅速な意思決定や、目指すべき経営方針が阻害されることがあります。このような場合に、スクイーズアウトをおこない、少数株主の株式を取得することで、反対意見を排除することができます。

医療法人の事業承継

経過措置型医療法人について説明してください。

経過措置型医療法人とは、平成19年4月1日以前に設立された、持分のある医療法人のことです。 現在では持分のある医療法人を設立することはできません。医療法人における持分とは、財産権のことで、社員退社時には出資した割合に応じて、会社財産から払戻を受けることができます。

出資額限度法人について説明してください。

出資額限度法人とは、社員の退社に伴う出資持分の払戻しや、医療法人の解散に伴う残余財産分配の範囲について、払込出資額を限度とすることを定款で定めている法人です。
持分のある医療法人から、出資額限度法人へ移行する際は、社員総会での決議が必要となり、所管行政庁に対し、定款変更認可申請をしなければなりません。

出資持分の払戻しのリスクについて説明してください。

医療法人における持分とは、財産権のことで、社員退社時には出資した割合に応じて、会社財産から払戻を受けることができます。
仮に、出資者の出資割合が50%だとすると、社員が退社する際には、医療法人の財産の50%を払戻請求することができます。
ただ、医療法人の財産には、現金以外にも医療機器や不動産などの固定資産も含まれるので、出資者から持分の払戻しを請求された場合に、すぐに動かせる現金がそれほど無いと、経営に大きな影響が出てしまいます。
また、出資者に相続が発生した場合も、医療法人からすぐに払い戻しが受けられないのに、出資者の相続人には巨額の相続税が課される可能性があり、相続人にも大きな影響があります。

認定医療法人への移行について説明してください。

認定医療法人へ移行するということは、持分のある医療法人が、持分のない医療法人へ移行するということです。移行時に生じる課税が、移行の妨げとならないよう、認定により税制上の優遇措置があります。
優遇措置の具体的な内容は、認定医療法人へ移行することで、出資者が持分を放棄したことによる、医療法人に対して課される贈与税が一旦猶予され、移行後6年経過した時点で贈与税の納税が免除されます。
また、出資持分を相続や贈与により取得した、相続人や残存出資者に対して課される、相続税・贈与税についても、持分なし医療法人へ移行した場合は免除されます。

出資持分のない医療法人への移行について説明してください。

持分なし医療法人へ移行する医療法人は、令和8年12月31日までに、移行計画を厚生労働省へ申請し、認定を受けます。
認定を受けると、持分あり医療法人の持分を、相続または遺贈により取得した場合は、移行計画の期間満了まで相続税の納税が猶予され、持分を放棄した場合は、猶予税額が免除されます。
また、出資者が持分を放棄したことにより、他の出資者の持分が増加し、贈与を受けたものとみなして、贈与税が課される場合も、納税が猶予され、持分を放棄した場合は、猶予税額が免除されます。
移行計画に基づき、持分なし医療法人へ移行した場合は、出資者の持分放棄に伴う法人贈与税は非課税となります。
ただし、移行計画の認定を受けた医療法人は、認定の日から3年以内に、持分なし医療法人へ移行することが必要です。移行しない場合は、認定が取り消され、遡及して課税されます。
また、移行完了後6年間は、毎年、持分なし医療法人の運営状況を厚生労働省へ報告することが必要です。
納税猶予期間に、出資持分の一部、または全部の払戻を受けた場合は、猶予税額は免除されず、猶予税額と利子税を併せて納付しなければなりません。

社会保険診療報酬の所得計算の特例について説明してください。

社会保険診療報酬の所得計算の特例とは、医業、または歯科医業を営む個人事業主や、医療法人は、年間の社会保険診療報酬が5,000万円以下の場合に、実際の必要経費にかかわらず、社会保険診療報酬の金額を4段階の階層に区分し、所定の割合をかけた金額を概算経費として、必要経費に算入することができるというものです。
ただし、この特例の適用が受けられるのは、その年の社会保険診療に係る収入が、5,000万円以下で、かつ、自由診療を含めた収入金額が、7,000万円以下の場合に限られます。

不動産の相続

二世帯住宅で小規模宅地等の特例を適用できる要件について説明してください。

二世帯住宅で小規模宅地等の特例を適用できる要件は、同じ棟の建物に親と子が住んでいること。
建物の敷地の名義が親であること。
子は親に家賃を払っていないこと。
区分所有登記されていないことなどの要件を満たすことで、自宅の土地の評価額が、330㎡までは80%評価減できます。

複数の居住用不動産を所有している場合には、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地の特例)は適用できますか?

特定居住用宅地等の特例の要件として、居住している必要があり、複数の家を保有していて、双方の家を行き来していたとしても、同時に複数の家に居住していたとはみなされません。
したがって、居住していないとみなされた家屋について、特例は適用できません。
ただし、特定居住用宅地等の特例は、同一生計の親族が居住していた場合も適用できるので、一方の宅地に被相続人、他方の宅地に同一生計親族が居住していた場合は、両方適用が可能です。
この場合の限度面積は、併せて330㎡となります。

自宅兼賃貸ビルの宅地の評価について説明してください。

自宅兼賃貸ビルの宅地の評価は、家屋の居住用に対応する敷地部分を、自用地評価とし、貸付部分に対応する敷地部分は、貸家建付地評価となります。
小規模宅地等の特例の適用部分は、土地全体を貸付部分と、居住部分の床面積比で按分計算します。

権利金の認定課税について説明してください。

権利金とは、他人の土地に借地権を設定して建物を建てるときに、賃借人が地主に支払う金銭のことをいいます。
ただし、この権利金を授受する取引の慣行がある地域で、その授受が行われないときは、これらの行為があったものとみなし、課税されることになります。

権利金の認定課税を回避する方法はありませんか?

権利金の認定課税を回避する方法は、借地人が地主に相当の地代を支払うか、税務署に無償返還の届出書を、借地人と地主が連名で提出すると、この認定課税を回避できます。
この場合の相当の地代とは、その土地の更地価格の6%程度の金額となります。

土地の無償返還に関する届出書を提出した土地の相続税評価額を説明してください。

土地の無償返還に関する届出書を提出した場合は、将来、無償で土地を返還することになるので、借地権に価値はありません。
ただし、実際には借主が土地を使用していることを考慮して、貸宅地として評価することが可能となり、自用地評価額の80%で評価します。
また、相続税の申告では、借主である会社の株式の評価も必要になります。
会社の株式を評価するときは、自用地評価額の20%を会社の純資産価額に加算します。

土地の無償返還に関する届出書を提出した土地に、小規模宅地等の特例は適用できますか?

土地の無償返還に関する届出書を提出していれば、貸付事業用宅地か、特定同族会社事業用宅地に該当し、小規模宅地等の特例が適用できます。
しかし、小規模宅地等の特例が適用できるのは、その土地が有償の賃貸借契約によって貸付けられている場合に限られます。
地代が無償であれば使用貸借契約となるため、貸宅地として評価されず、小規模宅地等の特例の対象にもなりません。

土地の無償返還に関する届出書を提出する際の、留意点を説明してください。

土地の無償返還に関する届出書を提出する際の留意点は、地代を無償にしないことです。
仮に無償であっても、権利金の認定課税を避けることは可能ですが、無償、もしくは固定資産税と同等の金額だと、使用貸借契約とみなされてしまいます。
使用貸借契約の場合、相続が発生した際に貸宅地とされず、相続税評価額の減額や、小規模宅地等の特例が適用できなくなります。
地代は、固定資産税の2倍~3倍以上の金額にすることが推奨されています。

その他 〇〇について教えてほしい

ストックオプションについて説明してください。

ストックオプションとは、株式会社の従業員や取締役が、自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利のことです。

ストックオプションの権利を行使したときと、取得した株式を売却したときの課税関係を説明してください。

ストックオプションの権利を行使したときは、時価が権利行使価格を上回っている場合は、給与所得となり、所得税が課税されます。
取得した株式を売却した場合は、売却価格と権利行使時の時価との差額について、譲渡所得となり、所得税が課税されます。

税制適格ストックオプションの課税関係を説明してください。

税制適格ストックオプションの場合は、権利行使時点では課税されません。
株式譲渡における売却価格と、権利行使価格との差額が譲渡所得となり、そこに所得税が課税されることになります。

米国在住で非居住者の相続税の負担について説明してください。

海外在住の相続人であっても、基本的には、日本において相続税の納付義務が発生します。
日本国内の財産を相続する場合は、被相続人、相続人の一方が海外在住でも、両者とも海外在住でも、相続する財産が日本国内にあれば、日本の税制が適用されます。国籍や居住地を問わず日本の税務署で相続手続きをして、日本に相続税を納付しなければいけません。

米国に所有している賃貸アパートは、相続時にどのような取り扱いになりますか?

米国不動産を個人で所有している人が亡くなると、被相続人の財産は、裁判所の管轄下で、遺産相続や分割などを行う、プロベートという法律手続きが行われます。
プロベートは、遺言の有無に関わらず必要で、期間中、相続人は相続不動産を自由に処分する事ができません。
プロベートを回避するためには、被相続人が存命中に、死亡時譲渡証書(Transfer On Death Deed)という証書を登記しておくと、プロベートを介さずに相続が可能になり、被相続人が亡くなった時点で、相続財産の所有権は、事前に指定しておいた相続人に移転します。

新NISA制度の仕組みや拡充内容について説明してください。

NISA口座に関して、つみたてNISA・一般NISAのどちらかの口座のみ開設可能だったものが、つみたて投資枠・成長投資枠のどちらも同時併用できるようになります。
年間投資枠が、つみたてNISAで40万円、一般NISAで120万円ですが、新NISAでは、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円に拡大され、2つの投資枠合わせて最大で1,800万円まで利用することができます。
また、非課税期間が、つみたてNISAは20年間、一般NISAでは5年間でしたが、新NISAでは口座開設期間も含め無期限になります。

iDeCo+について説明してください。

iDeCo+とは、従業員が加入するiDeCoに、拠出限度額の範囲内で、加入者が拠出する掛金に上乗せして事業主が掛金を拠出できる制度です。
事業主が拠出した掛金は、全額が損金に算入されます。

iDeCo+を実施できる要件を説明してください。

iDeCo+を実施できる要件は、従業員300人以下であること。
企業型確定拠出年金を実施していないこと。
確定給付企業年金を実施していないこと。
厚生年金基金を実施していないこと。
労使合意をすることです。

    Profile  

manabu

   

FP1級技能士、AFP、J-FLEC認定アドバイザー。
日本FP協会 CFP30周年記念プロモーション動画コンテスト 最優秀賞受賞
DTP・Webデザイナー・コンサルタントとして開業や副業のコンサルティング、FP試験のサポートを行っています。
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