公開日 2023年4月8日 最終更新日 2023年4月16日
FP1級試験の過去問を、何度も繰り返しといていると、「久しぶり!」「会いたかったよ!」「また、おまえかっ!」というように、さまざまな問題との出会いがあります。
旬な話題や制度改正の問題など、一期一会の問題もありますが、何度も繰り返し出題される「常連問題」「ご無沙汰問題」もあります。
過去問題を繰り返し解く!
FP試験に限らず、資格試験対策に有効な勉強方法の一つです。
出題範囲が無限大のFP1級試験でも常連問題があり、常連問題を確実に正解することが大切です。
過去3年間(2020年1月から2023年1月試験までの9回分)の出題問題ランキングを分野別に調べてみました。
タックスプランニングの、2023年1月から過去9回分の試験問題を見てみましょう。
この表では、計算問題を赤文字、それ以外の問題は黒文字で記載しています。
2020年1月 |
2020年9月 |
2021年1月 |
2021年5月 |
2021年9月 |
2022年1月 |
2022年5月 |
2022年9月 |
2023年1月 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
問25 |
事業所得(概要) |
所得税(減価償却) |
配当所得・控除 |
事業所得(収入・経費) |
非課税所得(要件) |
所得税の納税義務者と課税所得の範囲(非居住者) |
事業所得(青色申告) |
所得税(収入金額と必要経費) |
所得税(納税義務者・課税所得の範囲) |
問26 |
退職所得(計算) |
所得税(譲渡所得) |
不動産所得(価格・経費算入) |
給与所得(控除・概要) |
一時所得・雑所得(対象可否) |
退職所得 |
不動産所得 |
所得税(利子所得と配当所得) |
所得税(収入金額と必要経費) |
問27 |
医療費控除(概要) |
総所得金額(計算) |
医療費控除(計算) |
総所得金額(計算) |
所得控除(対象可否) |
総所得金額(青色申告)(計算) |
所得税の所得控除 |
所得税(給与所得) |
所得税(各種所得) |
問28 |
確定申告(概要) |
所得税(雑損控除) |
青色申告(概要) |
所得控除(種類) |
確定申告(概要) |
確定申告(概要) |
所得税の所得控除 |
総所得金額(計算) |
所得税(雑損控除・災害減免法) |
問29 |
中小企業投資促進税制(概要) |
住宅借入金等特別控除(概要) |
オープンイノベション促進税制(概要) |
配当控除(計算) |
ふるさと納税ワンストップ特例制度(概要) |
ふるさと納税ワンストップ制度(概要) |
所得税の確定申告 |
所得税(所得控除)(計算) |
所得税(申告・納付) |
問30 |
役員給与・役員退職金(損金算入) |
法人税(益金) |
法人税(減価償却) |
個人事業税(概要) |
法人(各種届出) |
法人(各種届出) |
法人税(申告・納付) |
住宅借入金等特別控除 |
交際費の損金不算入額(計算) |
問31 |
地方創生応援税制(企業版ふるさと納税) |
法人税(損金算入・評価損) |
交際費(概要) |
役員給与(損金算入) |
役員給与・役員退職金(損金算入) |
役員給与・役員退職金(損金算入) |
法人税(受取配当金の益金不算入) |
ふるさと納税 |
損金経理 |
問32 |
青色申告法人(欠損金の繰越控除) |
消費税(事業者) |
法人事業税 |
貸倒損失(要件) |
消費税(事業者) |
消費税(事業者) |
消費税 |
法人税(減価償却) |
消費税(課税対象) |
問33 |
消費税の軽減税率 |
役員間の取引(課税関係) |
消費税(事業者) |
消費税(事業者) |
役員間の取引(課税関係) |
役員間の取引(課税関係) |
デジタルとランスフォーメーション(DX) |
消費税 |
法人事業税 |
問57 |
Ⅰ個人事業の法人成り |
略式別表四(計算) |
Ⅰ所得控除 |
略式別表四(計算) |
略式別表四(計算) |
略式別表四(計算) |
略式別表四(計算) |
略式別表四(計算) |
一時所得(計算) |
Ⅱ株式会社の設立 |
Ⅱ所得金額調整控除 |
雑所得(計算) |
|||||||
問58 |
事業所得(青色申告・計算) |
法人税(計算) |
①事業所得(計算) |
法人税(計算) |
法人税(計算) |
法人税(計算) |
法人税(計算) |
法人税(計算) |
総所得金額(計算) |
②退職所得(計算) |
|||||||||
問59 |
所得税の申告納税額(計算) |
給与等の引上げ(正誤) |
所得税額(白色申告・計算) |
オープンイノベーション促進税制(正誤) |
Ⅰ青色申告法人の欠損金の繰越控除 |
Ⅰセルフメディケーション税制・医療費控除(計算) |
①一時所得(計算) ②雑所得(計算) |
賃上げ促進税制 |
医療費控除 セルフメディケーション税制 |
設備投資等の法人税額の特別控除(正誤) |
法人税の確定申告・中間申告(正誤) |
Ⅱ経営資源集約化税制 |
Ⅱ住宅借入金等特別控除 |
③総所得金額(計算) |
中小企業経営強化税制 |
住宅借入金等特別控除 |
タックスプランニングは、税制改正の影響もあり、旬の問題が出題されやすいというのが特徴です。
FP試験では、試験日ごとに法令基準日が示されています。
試験日 | 5月 | 9月 | 1月 |
法令基準日 | 前年の10月1日 | その年の4月1日 | 前年の10月1日 |
5月試験は、前年の10月1日、9月試験はその年の4月1日、1月試験は前年の10月1日となっていますが、きんざいのWebサイトによると、時事的問題などのFPとして当然知っておくべき事項については、容赦無く出題しますよと宣言されています。
ファイナンシャル・プランニング技能検定の試験の解答にあたっては、問題文に特に断りのない限り、以下の基準日現在の法令等に基づくものとします(1級実技試験を除く)。なお、試験範囲に含まれる時事的問題など、FPとして当然に知っておくべき事項については、基準日にかかわらず出題される可能性がありますのでご留意ください。
出典:きんざい https://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/law.html
FP1級試験は、聞いたこともないような未知の問題が出題されることも多く、タックスプランニングは法令基準日に関係なく出題されることが多いので要注意です。
旬の話題や未知の問題のためだけに対策を立てる必要はないと、個人的には思いますが、FPとして当然知っておくべき事項は、知っておかないといけませんね。
応用編では、穴埋め問題も出題されていますが、メインは税額の計算問題です。
略式別表四に関しては、出題回数も多いので要チェックです。
基礎編の出題ランキング
(2020年1月〜2023年1月まで 9回分を集計)
基礎編の出題ランキングを見てみましょう。
基礎編で出題される、タックスプランニングの問題は問25から問33までの9問です。
ランキング上位は、消費税、所得控除、確定申告、役員給与、ふるさと納税、青色申告、総所得金額です。
ランキング1位の消費税に関する問題は、2019年10月1日から消費税の税率が8%から10%へ引き上げられたこともあり、消費税に関する問題が毎回出題されています。
2023年10月1日からインボイス制度が導入されるので、消費税に関する問題は要チェックですね。
FP1級の学科試験は、基礎編と応用編の合計点数が、200点満点中120点以上で合格できます。
したがって、全ての問題を正解する必要はありません。6割以上で合格です。
2級までは、8割〜9割の正解率で合格した方も多いと思いますが、
1級の場合は、6割から8割の正答率で合格した方が多いのではないでしょうか。
FP1級試験合格を最優先に考えた場合、基礎編と応用編の得点割合や、6分野ごと出題数から勝敗を考えて戦略を練ることも大切です。
基礎編の9問の中に、旬の話題や時事的な問題が2問から3問出題されます。
時事的な問題や、未知の問題を1問ぐらい正解できれば良しとして、9問中6問を正解できれば6割以上の得点を確保できます。
まったく聞いたこともない、未知の問題との出会いもありますが、基礎的な問題も多いので2級までの知識を正確に整理しておくと安心です。
対策としては、最低でも、四択を三択か二択に絞ることができるように、テキストによく目を通しておきましょう。
私が初めて受験した、2020年1月の試験では、3勝6敗と大きく負け越しましたが、2回目に受験した2020年9月の試験では6勝3敗とリベンジに成功しました。
2回目とも30問、31問、32問を間違えています。
2020年1月は「役員給与・役員退職金に関する損金算入」「企業版ふるさと納税」「青色申告法人の欠損金の繰越控除」に関する問題で、2020年9月は「法人税(益金)」「法人税(損金算入・評価額)」「消費税(事業者)」に関する問題でした。
2020年1月の「企業版ふるさと納税」の問題は、まったく聞いたこともない問題で、FP1級試験の洗礼を受けました。
2回目の試験でも同じ問題番号を間違えていますが、他の問題を確実に正解できたので、最低限の6割以上はキープできました。
応用編の出題ランキング
(2020年1月〜2023年1月まで 9回分を集計)
応用編の出題ランキングを見てみましょう。
応用編で出題されるタックスプランニングの問題は、略式別表四がほとんどです。
略式別表四の問題と、次に出題される法人税額を計算する問題は、セットで出題されるので、略式別表四を間違えると必然的に法人税額の問題も間違えてしまいます。
FP1級試験では、セットで出題される問題を確実に正解することが大切です。
何度も出題されているので、過去問を繰り返し解き自信を持って試験に臨みましょう。
FP1級試験では、基礎編よりも応用編で点数を稼ぐというのが王道です。
合格した方のほとんどは、基礎編よりも応用編の点数の方が高いと思います。
私の場合も、基礎編70点、応用編76点の合計146点でした。
出題範囲が無限大の基礎編よりも、ある程度を絞ることができる応用編で取りこぼすことはできません。
計算問題の多くは、略式別表四と法人税額を計算する問題です。
タックスプランニングの場合、まずは、略式別表四の計算を完璧にマスターしておくことが大切です。
略式別表四に関する問題の中でも、「交際費の損金不算入額」や「減価償却の償却超過額」「減価償却超過額の当期認容額」「受取配当金の益金不算入額」は、頻出なので取りこぼしは許されません。
略式別表四以外にも、一時所得や雑所得、不動産所得や配当所得の計算は、基礎編で出題されることもあるので、2分の1するタイミングや、控除額や要件などを整理して押さえておきましょう。
本番では、周りの受験生が電卓を叩く音が気になるかもしれませんが、日頃から計算式を紙に書いて計算したり、電卓を叩く順番を体に覚えさせるなどして、大量の計算式をマスターしましょう。
タックスプランニングだけでなくFP1級試験は、文章問題、計算問題ともに、基礎的な問題をどれだけ多く正解できるかが合否を分ける鍵になります。
問題を解いていると、聞いたこともないような問題や、まったく知らない未知の問題に遭遇することがあります。
ここで焦ってペースを乱してしまっては出題者の思う壺です。
6割以上で合格できることを思い出し、知っている問題、基礎的な問題に目を向け、確実に正解することに全力を注ぐべきです。
知っている問題、基礎的な問題の取りこぼしは、110点台での不合格となりかねません。
ご質問やご意見、間違っている箇所等ございましたら、コメント欄、お問い合わせページ、Twitterにてお知らせください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。皆さんのFP1級技能士試験合格を願っています。
// ▼円グラフの中身
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value: 50.29, // 値
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highlight: "rgba(64,96,255,0.75)",
label: "説明問題"
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// ▼開催回別棒グラフの中身
var barChartData2 = {
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},
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highlightFill : "rgba(64,96,255,0.75)",
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}
]
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// ▼分野別棒グラフの中身
var barChartData3 = {
labels : ["A分野〈問1〉","C分野〈問2〉","D分野〈問3〉","E分野〈問4〉","F分野〈問5〉"],
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highlightFill: "rgba(255,64,64,0.75)", // マウスが載った際の塗りつぶし色
highlightStroke: "rgba(255,64,64,1)", // マウスが載った際の枠線の色
data : [ 35.71, 52.86, 42.14, 62.86, 57.86 ] // 各棒の値(カンマ区切りで指定)
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{
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// ▼上記のグラフを描画するための記述
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