FP試験一問一答 Part2(不動産)

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きんざいが制作していたFP受検対策に関する書籍は、今後制作・販売されません。

そこで、僕が実技試験対策本のKindle版セット版を制作しました。

FP1級実技試験での各質問は、簡潔かつ明確な回答が求められます。

実技試験のPart2(不動産分野)で質問される基本的なトピックをまとめました。

定期借家契約と普通借家契約

2019年6月8日 Part2
賃貸アパートの賃借人の退去は、どのように進めればよいですか?

賃借人の退去ですが、Aさんの賃貸アパートは普通借家契約で入居者と契約しています。

普通借家契約では、契約期間が定められていたとしても借主が更新したいと申し出れば更新することが可能です。

したがって、賃借人の退去を進めるためには、契約更新のタイミングなどで、賃借人に契約更新せずに契約を終了したい正当な事由を伝え理解を得ることと、状況に応じた立ち退き料を支払うなど、誠実な対応で交渉を進めることが必要です。

建設協力金方式・等価交換方式・事業用定期借地権方式

2019年6月8日 Part2
甲土地を事業用定期借地権で賃貸し、まとまった資金を得る方法はありますか?

前払地代方式による、事業用定期借地権を設定します。

2020年10月4日 Part2
建設協力金方式と、事業用定期借地権方式の特徴を簡潔に教えてください。
契約内容について、どのようなことを確認しX社との交渉を助言しますか?

建設協力金方式とは、入居予定のテナントから建設資金を借り入れてテナントに合った建物を建設し、テナントからの賃料を返済にあてます。建設協力金は返済期間中に返済ができるように、入居後の返済計画を立て契約します。

メリットは、テナントの確保が容易なこと、入居者のノウハウで事業ができることです。

デメリットは、テナント側が倒産や中途解約した場合、収入の消滅や転用しづらい建物が残ることです。

事業用定期借地権方式とは、契約期間を10年以上50年未満で定め、契約期間満了時には建物が取り壊されるので土地が確実に返還されます。

メリットは、土地の所有権を移転せず期間の更新もなく土地が更地返還されること。建物投資が不要で借入金の返済リスクがなく、安定した収益をあげることができることです。

デメリットは、用途が事業用に限られるため汎用性がなく、地代収入は家賃収入よりも低くなることや、事業者が倒産した場合は、倒産した会社の建物が残り手続きが煩雑になることです。

建設協力金方式の契約内容について確認する点は、中途解約の場合に、テナント側は建設協力金の返済の権利を放棄し、オーナー側は解約後の建設協力金返還が不要になる条項を入れてあるはずですが、今回の契約でも同様の条項が盛り込まれているか確認が必要です。

事業用定期借地権の契約内容について確認する点は、借地権の存続期間を10年以上30年未満、もしくは30年以上50年未満にすること。借地上の建物を事業用に限定すること。契約の際は契約書を必ず公正証書で締結することです。

公正証書でない書面で契約した場合は、事業用定期借地権としては無効となり、普通借地権として取り扱われる場合があります。この場合、期間が満了しても返還を受けられないこともあるため注意が必要です。

Aさんに対して、建設協力金方式と事業用定期借地権方式の、①、②のいずれを勧めますか?

事業用定期借地権方式の②を勧めます。

Aさんの意向は長男Cさんに承継する予定で、甲土地を手放すことは考えておらず、現在の地代収入相当額の確保と老人ホームへの入居等のために預貯金を増やしたいとあります。

相続税の軽減対策がおこなわれているか確認する必要がありますが、借入金をしてまで土地活用する必要はないと思います。

前払地代方式の定期借地権では、賃料を一括で授受しても期間に応じた収益計上ができ、契約期間満了時には確実に土地が更地返還されるため、今回のケースでは事業用定期借地権方式を勧めます。

2021年2月13日 Part2
建設協力金方式の特徴、メリット、デメリットについて教えてください。
契約内容について、どのようなことを確認しAさんにアドバイスしますか?

建設協力金方式の特徴は、入居予定のテナントから建設資金を借り入れてテナントに合った建物を建設し、テナントからの賃料を返済にあてます。建設協力金は返済期間中に返済ができるように、入居後の返済計画を立てて契約します。

メリットは、テナントの確保が容易なこと、入居者のノウハウで事業ができること。

デメリットは、テナント側が倒産や中途解約した場合、収入の消滅や転用しづらい建物が残ることです。

契約内容について確認することは、建設協力金方式の契約では、中途解約の場合にテナント側は建設協力金の返済の権利を放棄し、オーナー側は解約後の建設協力金返還が不要になる条項を入れてあるはずですが、今回の契約でも同様の条項が盛り込まれているか確認が必要です。

2021年6月5日 Part2
Aさんが、等価交換方式を選択した場合のメリットについて教えてください。

新規に事業資金を調達する必要なく、区分所有権を取得することができます。

通常、マンションを建築する場合、事業資金を借り入れるなど建築費を準備しなければなりません。

資金を借り入れると、将来の金利上昇リスクや家賃下落リスク、空室リスクなど様々なリスクが発生しますが、等価交換方式の場合、事業資金を調達する必要がなく区分所有権を取得できるのでリスクが軽減できます。

甲土地をそのまま所有していると相続発生時に100%の相続税評価となりますが、マンションが建っている土地は、貸家建付地評価となり評価額を下げることができます。

2021年6月13日 Part2
Aさんに対して、建設協力金方式と事業用借地権方式のどちらを勧めますか?

事業用定期借地権方式を勧めます。

Aさんの意向は、先祖代々の土地である甲土地を手放すことは考えておらず、納税資金の確保のために預貯金を増やしたいとあります。

相続税の軽減対策がおこなわれているか確認する必要がありますが、借入金をしてまで土地活用する必要はないと考えます。

前払地代方式の定期借地権では、賃料を一括で授受しても期間に応じた収益計上ができ、契約期間満了時には確実に土地が更地返還されるため、今回のケースでは、事業用定期借地権方式を勧めます。

2022年2月19日 Part2
等価交換方式の概要と、メリット、デメリットについて教えてください。

等価交換方式とは、土地をデベロッパーに譲渡し代わりに建物を建ててもらい、土地の所有者は建物の価値に対する土地の価値の分だけ、建物や不動産を所有することができる土地活用の方法です。

メリットは、土地所有者は建築費用を出さずに建物を得られることや、建物のための手続きや建設をディベロッパーがすべておこなってくれるため、土地の所有者は建物建築に関する費用が不要なだけでなく、手続きに時間を取られることがありません。

地上3階以上の中高層耐火共同住宅など、条件が合えば立体買い替えの特例の適用を受けることができるので、譲渡益に係る所得税の課税を繰延べることができます。

デメリットは、等価交換ではそれまで所有していた土地もディベロッパーと共有することになります。

最終的にディベロッパーとの共同所有ということになるため、土地の所有権の一部を手放すことになります。

権利関係が複雑化し、運用方針やメンテナンス費用などで揉めるリスクが高くなります。

2023年2月12日 Part2
事業用定期借地権と一般定期借地権には、どのような違いがありますか?

事業用定期借地権と一般定期借地権の違いは、借地上の建物用途や契約期間に違いがあります。

事業用定期借地権の場合は建物用途が事業用に限定されますが、一般定期借地権の場合、建物の用途制限はありません。

事業用定期借地権の借地期間は10年以上50年未満ですが、一般定期借地権は最低期間が50年以上となっています。

借地契約について、事業用定期借地権の場合は、必ず公正証書で締結しなければいけないこととなっていますが、一般定期借地権は公正証書以外の契約書でも有効です。

保証金、権利金、前払地代として受け取った金銭は、所得税および相続税についてどのように扱われますか?

保証金そのものには所得税はかかりませんが、預かった保証金の運用方法によっては課税関係が発生します。

保証金が不動産所得や事業所得などの業務にかかる資金として運用されている場合や、預貯金、公社債、貸付信託等の金融資産に運用されている場合、課税はありません。

それ以外の場合は、保証金に適正な利率をかけた金額を保証金を返還するまで、各年分の不動産所得の収入金額に算入します。

保証金は借地契約終了時には全額返還しなければならないので、債務控除の対象にはなりますが、保証金の全部が債務控除の対象となるのではなく、一定の計算方法で割り引いた金額しか控除の対象にはなりません。

建物や構築物を所有するための、借地権の設定の対価として受け取った権利金は、一般的に不動産所得になります。

権利金が土地の時価の50%を超える場合には、譲渡所得として課税されます。

ただし、受け取った権利金がその土地の地代の年額の20倍に相当する金額以下であれば、不動産所得となり、地代の年額の20倍を超える場合には譲渡所得となります。

権利金は借地契約終了時の返還義務は生じないので、債務控除の対象にはならず、相続税の課税対象になります。

前払賃料方式で処理する要件を満たした場合は、一時金として課税されず、設定した期間に応じ不動産所得の各年分の収入金額に算入します。

前払地代は返還義務が生じないので債務控除の対象にはならず、相続税の課税対象になります。

X社の提案とY社の提案について、それぞれのメリットや留意点を教えてください。

X社のメリットは契約期間が40年なので、期間満了時には長男Cさんのライフプランにあった活用が考えられます。

X社の留意点は借地期間が40年になるため、その間に相続が発生すると保証金の返還義務が長男Cさんに課されてしまうので注意が必要です。

Y社のメリットは、年間地代の50%の70年分を前払地代として受け取ることができるため、甲土地を売却せずにまとまった金額を受領できます。

前払地代そのものには課税されず前払地代で建物を取得した場合は、建物部分は減価償却しながら、70年間運用できるので収益性の向上が期待できます。

Y社の留意点は契約期間が70年と長期間になるので、Aさん家族やY社の状況が変化することや自然災害の発生などが考えられます。

2023年、6月18日、Part2
建設協力金方式の概要について教えてください。
また、甲建物の賃貸借契約の解約にあたってX社に甲土地の更地返還を要求することは可能ですか?

建設協力金方式とは、入居予定のテナントから建設資金を借り入れてテナントに合った建物を建設し、テナントからの賃料を返済にあてます。

建設協力金は、返済期間中に返済ができるように入居後の返済計画を立てて契約します。

メリットは、テナントの確保が容易なこと。入居者のノウハウで事業ができることです。

土地は自用地から貸家建付地の評価になり、建物に関しては貸家評価となるため、評価額が下がり節税が可能になります。

甲土地の更地返還を要求することはできません。建物の所有者はAさんなので、建物を解体する場合の解体費用はAさんが負担することになります。

Ⅰ案の場合、一括支払を受ける前払地代の課税関係はどうなりますか?

所得税については前払地代方式で処理する要件を満たした場合、一時金として課税されず設定した期間に応じ、不動産所得の各年分の収入金額に算入します。

相続税については前払地代は返還義務が生じないので債務控除の対象にはならず、相続税の課税対象になります。

2023年9月30日 Part2
あなたは、Aさんに、Ⅰ案、Ⅱ案、Ⅲ案のいずれを勧めますか?
その理由を、将来の相続税、収益性、年間収入、将来の資産価値などの観点から教えてください。

Ⅰ案を勧めます。

将来の相続税についてですが、Ⅰ案とⅡ案の事業用借地権の場合、土地は貸宅地として評価されますが、定期借地権の目的となっている宅地の価額はその宅地の自用地評価額から、定期借地権の価額を控除した金額か定期借地権の残存期間に応じた割合で計算した金額を控除した価額の、いずれか小さいほうの金額となり、借地期間の残存年数が短くなるにつれて減額割合が小さくなっていきます。

Ⅲ案の建設協力金方式の場合、相続税の評価額は土地は貸家建付地として、建物は貸家として控除を受けられます。また、借り入れた建設協力金は負債としてみなされ課税の対象からは外れるので、その金額分の節税が可能になります。

Ⅰ案の地代は780万円、固定資産税、都市計画税については月極駐車場部分だけなので年額200万円となり、580万円の収益になります。

Ⅱ案の場合、地代1,000万円のうち30%は前払地代として一括で受け取るので、年額の地代は700万円になります。固定資産税・都市計画税については甲土地全体となるので年額270万円となり、年間の収益は430万円になります。

Ⅲ案の地代は900万円で、固定資産税、都市計画税については月極駐車場部分の200万円と店舗の100万円を足した300万円になるので年間の収益は600万円になります。

したがってⅢ案が収益は高くなりますが、建物がAさん名義となるため建物の修繕やメンテナンスにかかる費用の負担も考慮する必要があります。

事業用定期借地権の場合、契約期間満了後の土地は更地にして返還されるので、Ⅰ案の場合は月極駐車場部分のみが残り、Ⅱ案では甲土地全体が残ることになります。

建設協力金方式では建物の名義も土地所有者となるため、Ⅲ案の場合は契約満了後に資産が増え、新たにテナントを募集して貸し出したり売却したりすることもできます。

相続税や将来の資産価値を考えるとⅢ案が条件面では有利ですが、建設協力金方式では万が一借主側の倒産・撤退による中途解約などが起こった場合、借主希望の仕様に仕上げた建物を新たなテナントに転用することや、業種の制限を受けて後継テナントの誘致が困難になってしまう可能性が考えられます。

また、テナントが退去してしまった場合、建物の所有者はAさんなので、入居テナントが決まらない場合でも固定資産税などの税金を納めていく必要があり、契約満了時に建物を取得できる点はメリットですが、活用する予定がないと解体が必要となり、解体費を負担しなければならない可能性もあります。

Aさんにどの程度相続対策が必要なのか、希望する収益はいくらぐらいなのか、建物が必要なのかなど、長男Cさんと一緒に15~20年先の土地の活用法も見据えて、どの案を選択すべきか考える必要があります。

借地関係の解消

2021年2月6日 Part2
貸宅地、借地を整理する方法を教えてください。
どの方法がよいと思いますか?

貸宅地を整理する方法は借地権を売却する方法。底地と借地権を共同で売却する方法。底地と借地権を交換しそれぞれの価値に応じ土地の所有権とする方法。デベロッパーとの等価交換事業により建物を建設し、底地や借地権に応じた建物の一部を取得する方法があります。

今回のケースで地主Cさんは資金の余裕がなく買い取ることはできないと話していることから、借地権を売却する方法は難しく、また、Aさんは老朽化した自宅と買い物や移動に不便さを感じていて、Y市内に転居を希望していることや、借地権と自宅建物の売却資金で預貯金を増やしたい意向があることから、二つ目の底地と借地権を共同で売却する方法を提案します。

上記2の方法により、借地権付き建物を処分した場合の課税関係を教えてください。

今回のケースでは、所有期間が10年を超えているので10年超所有の軽減税率が適用できます。

10年超所有の軽減税率と居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除とは併用できるので、課税長期譲渡所得は、譲渡収入金額から取得費と譲渡費用3,000万円を引いた金額となり、課税譲渡所得税率は6,000万円以下の部分は、14.21%。6,000万円を超える部分は20.315%で計算します。

2021年2月20日 Part2
Aさんが、借地を第三者に売却する際の留意点を教えてください。

借地権を第三者に売却する場合には、地主に対して借地権価格の10%程度の承諾料を支払い、譲渡の承諾を得る必要があります。

譲渡の承諾以外にも、建物建て替えの承諾、抵当権設定の承諾など借地契約条件のすり合わせが必要です。

地主が承諾してくれない場合、借地非訟手続きで裁判所に申し立てを行い、裁判所の許可を得て借地権を譲渡する方法があります。

借地非訟手続きは最終手段で、借地権の取り扱いには売却以外にも、底地と借地権の共同売却、底地と借地権の等価交換という方法もあるので、地主との話し合いを専門家を交えて双方納得いくように進めるべきです。

Bさんが、乙土地、借地権を売らないと言った場合、どのような提案が考えられますか?

X社のマンション開発事業を、借地人、地主、デベロッパーの三者による共同事業とし、Bさんの借地権とAさんの所有する底地の価格に応じて、X社の建設するマンションと等価交換し、Bさんは借地権の価値に見合う土地と、マンションの各部屋を取得することを提案します。

Bさんは地主と借地人の権利関係が解消でき、建替承諾料や更新料、地代の支払いも不要になります。

Bさんがマンションに住むことに抵抗がなければ、生まれ育った土地に住み続けることもできます。

甲土地だけの買取も検討するとあるが、乙土地と合わせて買い取る場合に比べ買取金額は低くなります。

AさんがX社の提案に納得できれば、甲土地だけの買取や等価交換も検討できますが、隣にマンションが建設されるとBさんの生活に影響が出ます。

Bさんの事情や気持ちをよく理解した上で話し合い、借地関係を解消し甲土地と乙土地を合わせて、等価交換することを提案します。

2021年6月6日 Part2
Fさんの申出、乙部分の土地を私の所有する借地権の価格を控除した底地価格で譲ってほしいについて、どのように思いますか?

乙部分の土地にはFさん名義の住宅が建っていますが、土地の使用にあたり契約書や権利金の支払いはなく、固定資産税、都市計画税相当額を、Fさんは継続してAさんに支払っています。

固定資産税や都市計画税は通常の必要費にあたり、Fさんは乙部分の土地を無料で借りているので、賃貸借ではなく使用貸借となります。

使用貸借契約では借地借家法が適用されず、借地権は発生しないので、底地としての評価で譲渡する必要はありません。

2021年10月9日 Part2
Aさんの意向、および、Dさんの希望を踏まえ、乙土地の借地関係についてどのような提案・方策が考えられますか?

借地関係を整理する方法は、借地権を売却する方法。底地と借地権を共同で売却する方法。底地と借地権を交換し、それぞれの価値に応じ土地の所有権とする方法。デベロッパーとの等価交換事業により建物を建設し、底地や借地権に応じた建物の一部を取得する方法があります。

2022年2月13日 Part2
母親Bさんの相続に係る相続税額の計算上、甲土地、および乙土地の価額はどのように評価しますか?

甲土地の相続税評価額は自用地として評価します。

甲土地の借地権について、10年前に母親Bさん2分の1、Aさん4分の1、弟Cさん4分の1の共有持分で相続しています。

4年前、地主Dさんから甲土地の底地を購入し、甲土地の所有名義は母親Bさんになっています。

Aさん、弟Cさんが地代を支払えば賃貸借ですが、おそらく使用貸借になります。

通常、親子の場合は地代を取らないので使用貸借に係る土地を相続により取得した場合は、その土地に係る相続税法上の評価額は自用地としての価額となります。

地主と借地権者間の借地権関係の継続が明確になっていないと、借地人のAさん、弟Cさんが、母親Bさんに借地権を贈与したと税務署に認定され、贈与税を課される恐れがあります。

Aさん弟Cさんが地代を支払わない場合でも、借地権者の地位に変更がない旨の申出書を所轄税務署に提出することで、贈与税を課される心配はありません。

2022年6月4日 Part2
借地契約を更新し老朽化した自宅と賃貸アパートを建て替える案の場合、建築費以外、Aさんにどのような費用が発生すると考えられますか?

借地契約を更新し建替える場合には、原則として地主の承諾が必要となります。建て替えの承諾を得られたら、一般的には地主への承諾料を支払います。

非堅固建物から堅固建物に変える場合は、借地権の契約期間が変わる場合もあるため注意が必要です。

Aさんの借地権と地主Bさんが所有する底地を、借地権割合で交換する案の場合、交換後、Aさんはどのような土地を取得できますか?

Aさんの借地権と地主Bさんが所有する底地を借地権割合で交換することで、AさんとBさんが互いに完全所有権の土地を取得できます。

交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が交換差金となり、交換差金に対して所得税が課税されます。ただし、一定の条件を満たしていれば、固定資産の交換の特例の対象となり課税されません。

交換する資産はいずれも固定資産で、同種類の資産であること。交換により取得する資産は交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。

取得する資産を交換直前の用途と同じ用途に使用すること。交換により譲渡する資産の時価と交換により取得する資産の時価との差額が、いずれか高い方の時価の20%以内であることです。

地主Bさんと一緒にS社の等価交換事業に参加する案の場合、Aさんの借地権はどのような資産に代わりますか?

地主Bさんと一緒にS社の等価交換事業に参加すると、借地権に応じたマンションの一部を資金負担なく得られます。ただし、土地は実質共有となります。

地上3階以上の中高層耐火共同住宅など条件が合えば、立体買い替えの特例が適用できるので譲渡益に係る所得税の課税を繰延べることができます。

2023年9月23日 Part2
Aさんが甲土地、借地権、甲建物を9,000万円、現状有姿で売却する場合、地主Dさんからどのような承諾を得る必要がありますか?
また、売却した場合の課税関係を教えてください。

借地権付きの建物を売却する場合、一般的に名義書換え料を支払い、売却自体の承諾を得る必要があります。

名義書換え料の金額や売却後の借地料、契約期間、現在の契約期間を引き継ぐのか新たに期間を設定するのかなどの承諾が必要です。

地主の承諾を得られない場合には、借地非訟の手続きが考えられます。

借地非訟とは、借地人と地主との間に揉め事が生じた時、地主に代わって裁判所に許可を出してもらうための手続きで、地主の承諾を得られない場合に利用されます。

甲土地の借地権と甲建物を売却した場合、譲渡所得税の対象となり、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して計算します。

借地権を売却した場合の取得費は、地主などに支払った権利金や、借地権の購入費用、借地権の更新や変更するにあたり支払った承諾料などが取得費に該当します。

共有名義の解消

2021年2月14日 Part2
叔母Bさんが持分を第三者に売却した場合、どのような問題が生じますか?

Aさんは、他の共有者の承諾なしにその土地を利用も処分もすることができなくなります。

叔母Bさんの共有持分は、市場価格より低い価格でしか売却することができず、共有部分を割安で買った業者は、Aさんからも割安で買って第三者に転売するか、Aさんに割高で売却するかのいずれかの方法をとります。

叔母Bさんが持分を第三者に売却した場合、BさんもAさんも機会利益を逸する可能性が高くなります。


2022年10月1日 Part2
現時点で、乙2部分をAさんの単独所有とするには、どのような方法がありますか?

現時点で、乙2部分をAさんの単独所有とするには、共有者それぞれの持分に応じ土地を分筆して単独所有とする方法があります。

Aさんの意向を踏まえ、Aさんにどのようなアドバイスをしますか?

乙土地に関しては、共有者それぞれの持分に応じて土地を分筆し単独所有とし、農地転用後に売却するようにアドバイスします。

母親Bさんが所有する乙1部分は、野菜作りの作業に負担を感じており、これを機に乙土地での野菜作りをやめようかと考えているので、相続対策も踏まえた乙1部分の有効活用を検討するようにアドバイスします。

2023年2月5日 Part2
Aさんは、甲3の土地と甲建物の持分を買い取ったほうがよいでしょうか?
また、提示された総額1億円という価格の妥当性についてどのように思いますか?

買い取ったほうがよいと思います。

不動産を共有のままにしておくと、売却する際には、共有者全員の同意が必要になり、1人でも同意していない場合には売却することができません。

また、共有者の中に認知症を患ったり行方不明になったりした人がいると、売却することが大変困難になります。

さらに、共有者の誰かが他界してしまった場合、その人の持分は相続対象となります。そのため、ケースによっては共有者の人数が増え、権利関係が複雑になってしまうからです。

提示された、総額一億円という価格の妥当性については、妥当だと思います。

甲3の土地は、価格水準81,675,000円です。

甲建物の持分は、固定資産税評価額の6,000万円を3分の1すると2,000万円になります。

甲3と甲建物の持分を合計すると約1億円になるので、提示された総額1億円という価格は妥当だと思います。

Aさんは、Dさんから届いた書面に対して、どのように返答したらよいでしょうか?

甲3の土地と甲建物の買取に関し前向きに検討しているので、第三者への譲渡は待ってほしいと返答するようにします。

不動産を共有のままにしておくと権利関係が複雑になるので、第三者への譲渡は避けたほうがよいと思います。

甲3の土地と甲建物の買取に関して、それぞれの適正な価格を算定したあとに価格交渉を行い、買取を検討します。

2023年6月10日 Part2
共有の甲土地上にAさん名義の甲建物がありますが、現在の権利関係は、どのようになっていると考えられますか?
また、現在の共有状態のままだと、将来、どのようなトラブルが発生する可能性が考えられますか?

使用貸借契約になっていると考えられます。

甲土地は、Aさん、弟Bさん、妹Cさんの3人が、それぞれ各3分の1の共有持分になっていますが、Aさんは地代や権利金を支払うことなく甲建物を使用しているからです。

不動産を共有のままにしておくと、売却する際に共有者全員の同意が必要になり、1人でも同意していない場合には売却することができません。

共有者の中に認知症を患ったり、行方不明になったりした人がいると、売却することが大変困難になります。

共有者の誰かが他界してしまった場合、その人の持分は相続対象となります。そのため、ケースによって共有者の人数が増え権利関係が複雑になってしまいます。

甲土地の共有関係を解消するためには、どのような方法が考えられますか?

分筆による共有解消が考えられます。

甲土地の場合、持分に応じた価格で甲土地を分け、それぞれを一つの土地として各共有者の単独名義にします。

他には、弟Bさんと妹Cさんの持分をAさんが買い取る方法や、全員の同意が必要ですが、甲土地全体を売却して売却代金を持分に応じて分配する方法が考えられます。

2023年6月11日 Part2
あなたは、Aさんに分割案①と、分割案②の、どちらを勧めますか?
その理由とともに教えてください。

分割案①を勧めます。

甲土地の分割に関する希望として、それぞれが取得した土地を、将来、2区画に分割して使用できるようにしたいとあります。

分割案②の場合だと、それぞれの土地を2区画の整形地に分割した場合、接道義務を満たせなくなる可能性があるからです。

分割案②は、Cさんが自ら作成した案なので、分割後の3区画がほぼ等価となるかわかりません。

共有物分割の手続と、課税関係について教えてください。

共有物分割をしたい場合、まずは共有者の間で共有物分割協議を行います。

共有物分割協議がスムーズに進まない場合は、弁護士に相談をして交渉を依頼するか裁判手続きをとることになります。

共有物分割が持分に応じておこなわれ、分筆後の土地の時価と面積が持分割合と一致する場合は、譲渡所得税も贈与税もかかりません。

共有物分割は時価比率が持分に応じていれば税務上の問題はありませんが、持分割合と一致していない場合にはその差額を贈与したことになり、贈与税の課税対象となります。

また、分割前の持分を上回って取得している場合は、上回る部分について不動産取得税が課されます。

不動産の相続

2021年2月21日 Part2
Aさんが甲a土地を売却した場合の、課税関係を教えてください。

取得日は相続した土地や建物を譲渡した場合、被相続人から引き継ぐことになります。

甲土地は4年前に、父親が事業用資産の買換え特例の適用を受けて取得したものを、父親の相続によりAさんが取得したので現時点での所有期間は5年以下となり、短期譲渡所得となり税負担が大きくなります。

ただ、父親の相続が2年前なので、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例が適用できる可能性もあるため、譲渡時期をX社やY社と調整することが可能か交渉し、調整可能であれば具体的な税額などを税理士と協力して判断します。

2021年10月9日 Part2
甲土地を売却した場合の課税関係を教えてください。

空き家の譲渡所得の3000万円特別控除が適用できます。

甲建物は築50年で5年前に母親が他界した後、父親が1人暮らしをしていたので空き家の譲渡所得の3000万円特別控除の適用を受けることが可能です。

ただし、不動産業者から買取価格はおおむね一億円との話があるので、譲渡価格が一億円以下で、相続開始日から3年後の12月31日までに譲渡することが必要です。

2022年2月13日 Part2
甲土地、または乙土地を売却した場合の、それぞれの課税上の取扱いを教えてください。

甲土地を売却した場合は、相続等により取得した空き家を譲渡した場合の3000万円特別控除が適用できます。

乙土地は、4年前地主Dさんから購入しているので、所有期間5年以下の短期譲渡所得になります。

相続税の申告期限から3年以内に売却した場合には、納付した相続税の一部を所得税の計算上マイナスすることができる相続税の取得費加算の特例が適用できます。ただし、空き家の譲渡所得の特例とは重複適用できません。

2022年6月11日 Part2
甲土地の北側部分、道路予定地を売却した場合の課税関係はどうなりますか?

甲土地を売却して得た譲渡所得に対して、譲渡所得税が課税されます。

譲渡所得の金額は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。

甲土地はAさんが相続で引き継いだ土地なので、被相続人が取得した時の購入金額をAさんが引き継いで計算します。

したがって、被相続人が購入した際の金額を調べる必要がありますが、購入金額についての記録などがない場合や、実際の取得費が分からない場合には、売却時の収入金額の5%を取得費として計算する概算取得費の計算を行うこととなります。

甲土地を相続が発生した日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却するなど要件を満たした場合には、Aさんが相続した際に支払った相続税について、すべての財産の相続税評価額のうち甲土地の相続税評価額の占める割合で計算した金額を取得費に加算できる取得費加算の特例があります。

甲土地はAさんが相続で引き継いだ土地なので、所有期間の開始時点はAさんが相続をした日ではなく、被相続人がその土地や建物を取得した日となります。

2023年9月24日 Part2
Aさんが甲土地を建売業者の提示価格で売却した場合、譲渡所得の金額の計算上、相続空き家を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の適用を受けることはできますか?

甲土地の売却価格は1億1,250万円なので、相続空き家を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の適用を受けることはできません。

空き家にかかる譲渡所得の特例とは、一人暮らしだった被相続人が死亡した日以後、3年を経過した日の属する年の12月31日までに、相続によって取得した空き家を譲渡したときは、その空き家を譲渡して得た利益から3,000万円を控除できる制度です。

要件は、被相続人が亡くなられた時点で一人暮らしであること。1981年5月31日以前に建築された建物とその敷地であること。区分所有建築物でないこと。相続から譲渡まで引き続き空き家でなければならないこと。売却代金が一億円以下であることです。

生産緑地法

2021年9月25日 Part2
生産緑地とはどのような制度ですか?
また、どのような税制上の優遇がありますか?

生産緑地とは良好な生活環境を確保するために自治体が指定する農地です。

生産緑地には相続税や固定資産税などの税制優遇がある一方で、土地利用にさまざまな規制が設けられています。

相続により生産緑地を取得した場合、取得者は生産緑地分の相続税の納税猶予を受けることができます。ただし、相続人が営農を廃止した場合は、相続時まで遡って相続税が課税されるとともに猶予期間に応じた利子税も支払うことになります。

固定資産税について市街化区域内の土地は宅地並み評価され、納税額が高くなりますが、生産緑地内にある土地については一般農地並の課税がなされます。

リバースモーゲージ・リースバック

2023年2月4日 Part2
Aさんの希望である庭部分を売却せずにリフォーム資金を調達して甲建物に住み続けるには、どのような方法が考えられますか?

リバースモーゲージや、リースバックが考えられます。

リバースモーゲージとは自宅を担保に資金を借入れ、死亡後に担保となっている自宅を売却して一括返済するローンです。

返済期間中は元本の返済はなく、毎月の利息だけを返済していくことになります。

契約時点では所有権の移転はありませんが、最終的には自宅を売却する形になるのでCさんの同意が必要です。

地積規模の大きな宅地の評価

2021年2月13日 Part2
ドラッグストアの店舗の建築後、Aさんの相続が開始した場合、甲土地の相続税評価額はどのようになりますか?

相続発生時には、土地は貸家建付地、建物は貸家、保証金は債務になります。

甲土地は三大都市圏で、地積が1,800㎡あり、地積規模の大きな宅地の評価が適用できます。

路線価や評価倍率方式を修正して価格補正され、土地の評価額を減額することができます。

2021年10月10日 Part2
交換後の土地が相続上有利になる理由として、どのようなことが考えられますか?

Ⅰ案、Ⅱ案ともに交換後の土地の面積が500㎡以上になるので、地積規模の大きな宅地の評価が適用できるようになり、相続上有利になることが考えられます。

東京23区の場合は、指定容積率が300%未満の地域であることです。

2022年6月11日 Part2
X社からの申出について、あなたは、Aさんにどのようなアドバイスをしますか?
X社の申出を受ける場合、Aさんにどのようなデメリットがありますか?

甲土地は、三大都市圏近郊のS市内にある地積1,156㎡の土地なので、地積規模の大きな宅地の面積要件を満たしていますが、X社の申し出を受けた場合は要件が満たせず相続税負担が増加する可能性があります。

地積規模の大きな宅地の評価の対象となる宅地は、路線価地域に所在するものについては、普通商業・併用住宅地区、及び普通住宅地区に所在するもの。

工業専用地域に指定されていないこと。市街化調整区域に該当しないことです。

ただし、市街化調整区域でも宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域は該当します。

また、倍率地域に所在するものについては、地積規模の大きな宅地に該当する宅地であれば対象となります。

特定居住用財産の買換え特例

2021年2月20日 Part2
自宅、および賃貸アパートとその敷地、借地の売却、マンションの購入にあたり課税上の論点を教えてください。

Aさんが自宅および賃貸アパートとその敷地、借地を売却し、マンションを購入した場合は、特定居住用財産の買換え特例が適用できます。

買換え特例は、3,000万円の特別控除の特例と併用できません。いずれか選択制になっています。

どちらを選択したほうが有利かは、税理士と協力して判断します。

2021年6月12日 Part2
実家を売却し、乙マンションの現在売出し中の物件を購入する場合、買換えのタイミングや、2つの売買契約の条件、資金面について、Aさんにどのようなアドバイスをしますか? 

実家を売却し乙マンションの物件を購入し、譲渡益が出た場合の特例として3,000万円特別控除と、10年超所有軽減税率の特例か、特定居住用財産の買換え特例が適用できます。

買換えのタイミングは、いずれの特例も住まなくなって3年目の年末を経過してから売却すると、特例の適用ができなくなり、特定居住用財産の買換え特例の場合は2021年12月31日までに実家を譲渡し、その年か翌年末までに乙マンションを取得し、取得年の翌年末までに居住開始する必要があります。

売買契約の条件は、実家を取り壊した場合で特例を適用するには1年以内の売買契約の締結が必要です。

特定事業用資産の買換え特例

2021年10月3日 Part2
賃貸アパートの建築費に充てるために、自宅を売却した場合と、駐車場を売却した場合の課税上の違いを整理して教えてください。

自宅を売却した場合は、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例と10年超所有の軽減税率の特例が適用できます。

駐車場を売却した場合は特定事業用資産の買換え特例が適用できます。

特定事業用資産の買換え特例とは、10年超所有などの要件を満たした事業用資産を売却して、一定の事業用資産に買い換えた場合、譲渡利益の80%は課税の繰り延べを認めるというものです。

個人が土地等を収用等された場合の、所得税の課税の特例

2023年6月17日 Part2
都市計画道路事業による乙土地の売却資金で、紹介された賃貸アパートを購入する場合、譲渡所得の金額の計算上どのような特例の適用が考えられますか?

収用等に伴う代替資産の取得の特例や、収用等の場合の5,000万円特別控除の適用が考えられます。

収用等に伴う代替資産の取得の特例とは、補償金で他の土地建物に買い換えたときに課税の繰延べができる特例です。

売った金額より買い換えた金額が多いときは、所得税の課税が将来に繰り延べられ、売った年については譲渡所得がなかったものとされます。

売った金額より買い換えた金額が少ないときは、その差額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行います。

要件は、売った土地建物は固定資産であること。売った資産と同じ種類の資産を買い換えること。移転に承諾した日から2年以内に代わりの資産を取得することです。

5,000万円特別控除とは、一定の要件を満たすときには譲渡所得の計算上5,000万円までを控除することができるというものです。

要件は売った土地建物は固定資産であること。その年に収用等に伴う代替資産の取得の特例を受けていないこと。申出があった日から6か月を経過した日までに売買が行われていること。最初に申し出を受けた者が譲渡していることです。

不動産売却の告知義務・契約不適合責任

2021年2月7日 Part2
Aさんが店舗つきで甲土地を売却する際、特に買主に告知する事項とその理由を教えてください。

浄化槽と井戸の存在を告知する必要があります。

浄化槽は、2020年9月から現在まで使用しておらず、建物の築年数から浄化槽の交換が必要になる可能性があるので、交換費用や撤去費用を売主と買主のどちらが負担するのか事前に話し合う必要があります。

井戸の存在は、井戸を残すのか埋め戻すのか、埋め戻す場合は費用を売主と買主のどちらが負担するのかを話し合う必要があります。

井戸は神様が宿っている神聖な場所として、お祓いが必要だと言われることがあります。関係者が納得する方法で対処するためにも話合いが必要です。

違法建築・既存不適格建築物・建築基準法

2020年9月27日 Part2
Y社が提案する購入価格の算出方法について説明してください。
また、Y社が指摘する増築した1階の倉庫部分は、何が問題となるのですか?

倉庫を増築したことによる容積率超過と、建築確認申請を行なっていない点が違法建築で問題となります。

確認申請ですが、倉庫部分は南側へ約20㎡増築されているので建築確認申請が必要になります。

確認申請が必要な場合は、10平方メートル以上の増築工事、準防火地域、防火地域の増築工事、どちらか一つでも当てはまる場合は確認申請を行う必要があります。

甲土地の指定容積率は500㎡×300%で1,500㎡です。

既存建物の延床面積が1,500㎡なので、増築した倉庫部分を加えると指定容積率を超過し違法建築となります。

2021年6月5日 Part2
X社が、乙土地も買い取りたい理由として、どのようなことが考えられますか?

乙土地を買い取ることにより前面道路の幅員が12m以上になり、指定容積率の500%が容積率の最高限度となるためです。

乙土地を買い取らない場合は、前面道路の幅員が4mなので240%となり容積率が低くなります。

X社が建設する予定の建物の規模がわかりませんが、乙土地を買い取らないと建物の規模は小さくなります。

2022年2月19日 Part2
Aさん夫妻に対し、X社が、甲土地を相場より高くても買いたいという理由を、どのように説明しますか?
また、今後のX社との価格交渉について、どのようなアドバイスをしますか?

X社が甲土地を相場より高くても買いたいという理由は、乙土地を甲土地と一体として活用することで、敷地全体が幅員8mの県道に接する角地となるので建蔽率が有利になります。

さらに、建物の出入りには市道だけでなく県道からもアプローチができるので、建築物の自由度が増し評価額が高くなるためだと考えられます。

X社との価格交渉は、甲土地と乙土地を一体とした場合の価格と単独での価格を確認し、価値増加分を地域の実情や対象不動産の個別性などを勘案し、相場の3~4割増しでの価格がAさんにとって有利な条件なのかを判断し、交渉するようにアドバイスします。

丙土地上に、新たに建物を建築することはできますか?

現状では、丙土地上に新たに建物を建築することはできません。

丙土地は、間口が1.8mの路地状敷地です。

建築基準法上の道路に接している通路部分の間口が2m未満の場合、建物の建築許可が得られず建物を建築することはできません。

Dさんと交渉し、丙土地の間口部分に位置する丁土地の20㎝分を譲渡してもらうことで、接道義務をみたし丙土地上に新たに建物が建設可能になります。

2022年6月11日 Part2
X社が、乙土地の購入価格の1.6倍の価格を提示してまで、道路予定地の甲土地の北側部分を購入したい理由として、どのようなことが考えられますか?

X社による乙土地単独の開発計画によると、乙土地の中央部分を道路とすることで各区画の接道義務を満たすように計画されています。

一方、Aさんが道路用地を提供した場合の開発計画では、甲土地の北側部分の道路で各区画の接道義務を満たすことができます。

そうすることで南向きの区画が多くなり、各区画の形状も正方形に近くなるので、建築物の自由度が増し、多様なニーズに応えられ建売事業の人気が出る可能性があります。

さらに、総区画数も7区画から9区画に増え、各区画の平均面積も141.57㎡から148.33㎡に増えるので、X社が乙土地の購入価格の1.6倍の価格で購入しても採算が取れると判断したため、道路予定地の北側部分を購入したいのだと思います。

2023年2月5日 Part2
甲土地の前面道路の路線価1,340千円と、側道の路線価390千円が大きく異なっていることについて、どのような理由が考えられますか?
また、甲3の土地の相続税評価額と固定資産税評価額の算出方法について教えてください。

路線価が大きく異なっている理由は、甲土地は指定容積率600%の商業地域ですが、甲3土地側の前面道路は4mなので240%が容積率の上限となります。

甲1や甲2部分と比べ容積率が低く、建築できる建物に制限があるので路線価が大きく異なっていると思います。

甲3の土地のような不整形地の評価額を路線価方式で算出する場合、最初にその土地を整形地であるとして評価額を出し、その後その評価額に不整形地補正率で調整をすることにより評価額が減額されます。

2023年2月4日 Part2
リフォーム資金を工面するために庭部分を売却する場合、甲土地のうち売却する部分と残す部分はどのように分割すればいいと思いますか?

甲建物を残したまま甲土地を売却する場合は、売却後に甲建物が違反建築物とならないように分割することが必要です。

甲土地の一部を売却した後も、残った敷地が接道義務を満たしていることと、甲建物が残った敷地に対して建蔽率と容積率を満たしている事が最低条件となります。

具体的には、甲建物の建築面積は80平方メートルで、甲土地の建蔽率は50%なので、甲土地の残す部分は地積を160㎡以上とし、接道義務を満たすために公道に2m以上接するような旗竿敷地とします。

売却部分は、それ以外の部分を調整して売却することになります。

2023年6月11日 Part2
甲土地上に、建築基準法上の道路を新設するにはどのような方法がありますか?

位置指定道路の指定を受ける方法があります。

位置指定道路とは建築基準法上の道路として認められており、特定行政庁から位置の指定を受けた私道のことです。

新しい道路を私道として設けて特定行政庁の指定を受けると位置指定道路となり、位置指定道路に面した土地に建物を建てることが可能になります。

2023年6月17日 Part2
Y社が甲土地を取り込んで、マンション共同開発を望む理由はなんでしょうか?
また、Y社による甲土地の評価が適正かどうか、どのように判断したらよいでしょうか?

Y社は、総戸数38戸のファミリータイプマンションを企画しています。

丙1土地だけでは1個あたりの平均面積は50㎡程度となるので、ファミリー向けに、1戸あたり80㎡以上の広さを確保したいので甲土地を取り込みたいのだと思います。

またがる用途地域

2020年10月3日 Part2
乙ビルの延床面積、新しいビルの延床面積はどのような計算の結果ですか?
考え方を教えてください。

甲土地のように複数の用途地域にまたがる地域の容積率は、用途地域ごとの敷地面積を加重平均して計算します。

容積率の計算で全面道路の幅員が12m以上の場合には、用途地域ごとに定められている容積率がそのまま敷地の容積率の最高限度額となりますが、12m未満の場合には、前面道路幅員に係数を乗じた容積率と、指定容積率とを比較して小さいほうを適用します。

甲土地全体の延床面積は、商業地域が前面道路幅員に係数を乗じた容積率、第二種住居地域は指定容積率のほうが小さいので2,800㎡になります。

商業地域は、前面道路幅員に係数を乗じた容積率のほうが小さいので2,400㎡です。

第二種住居地域は指定容積率のほうが小さいので400㎡となります。

したがって、甲土地全体の延床面積は2,800㎡になります。

新しいビルの延床面積は幅員が5m拡幅されたため、全面道路の幅員が12m以上になり、用途地域ごとに定められている容積率がそのまま敷地の容積率の最高限度額となります。

商業地域:400㎡×500%=2,000㎡

第二種住居地域:200㎡×200%=400㎡

1案と2案のどちらを勧めますか?
推奨する案のメリットと推奨しない案の問題点をそれぞれ複数項目あげてください。

Y社が提案する2案を勧めます。

2案を推奨する理由は、将来、長男Cさんに不動産賃貸業を承継することまで考えると、賃料単価が2割り増しとなり、新築のビルで空室率の改善も見込まれる2案の方が長期安定的な不動産賃貸業ができると考えます。

建て替えに伴い借入金が発生しますが、借入金は相続時に債務控除として相続財産から控除できるので、相続税負担の軽減効果もあります。

1案の乙ビルを継続して運用することを推奨しない理由は、現状の乙ビルは延床面積が2,600㎡で、幅員が5m拡幅されたあとの甲土地の延床面積の上限2,400㎡を超えてしまい、既存不適格建築物となります。

さらに、新しいビルに比べ賃料を安くせざるを得ず、大規模修繕後も賃料単価や空室率が改善するかは不透明です。

2021年2月13日 Part2
甲土地の敷地全体を利用して、ドラッグストアの店舗を建築することはできますか?

甲土地は近隣商業地域と第一種低層住居専用地域にまたがっており、用途地域が異なる敷地の場合、過半を占める用途地域が適用されます。

そのため、甲土地の敷地全体を利用して、ドラッグストアの店舗を建築することはできません。

近隣商業地域の敷地のみにドラッグストアを建築し、第一種低層住居専用地域には駐車場にするなどして建築することになります。


2021年2月14日 Part2
甲土地は地積が等しい乙土地と比べて、なぜ低い価格が提示されたと思いますか?

甲土地は、商業地域と第一種住居地域にまたがっており、建蔽率、容積率が加重平均により求められます。

すべて商業地域の乙土地に比べ、建築可能な建物の面積が制限されてしまうため、低い価格が提示されたと思います。

2021年6月13日 Part2
甲土地に、X社提案の食品スーパーの店舗を建築することはできますか?

現状では、甲土地にX社提案の食品スーパーの店舗を建築することはできません。

甲土地は、準住居地域と第一種低層住居専用地域の異なる複数の用途地域にまたがっており、異なる複数の用途地域にまたがる敷地の場合は、敷地面積の大きいほうの用途地域が敷地全体に適用されます。

甲土地の場合、敷地全体が第一種低層住居専用地域の制限を受けるため、X社提案の食品スーパーを建築することはできません。

 甲土地にX社提案の食品スーパーの店舗を建築するためには、甲土地を準住居地域が過半を占める割合で分筆する方法が考えられます。

X社提案の食品スーパーの店舗は、延べ面積が500㎡の平屋建てです。

甲土地を準住居地域が過半を占めるように分筆すると、甲土地の用途制限は準住居地域が敷地全体に適用され、1万㎡以下の店舗の建築が可能になります。

分筆後の敷地が、X社の建設計画を満たすことや、最低敷地面積以上になるように留意する必要があります。

2021年10月10日 Part2
あなたは、AさんにX社との土地の交換にあたって、1案とII案のどちらを勧めますか?その理由とともに教えてください。

Ⅱ案を勧めます。

Aさんは甲土地について、できれば長期的な土地の有効活用をしておきたいと考えています。

現時点での活用方法は決まっていないので、建物の用途制限などに柔軟に対応できるように、甲土地部分の面積が大きくなるⅡ案を勧めます。

複数の用途地域にまたがる場合、建蔽率や容積率は用途地域ごとの敷地面積の加重平均で計算します。

複数の用途地域にまたがる場合、高さの制限は用途境で分かれるためそれぞれの用途地域の制限を受けます。

X社が変更案でも対応すると返答したのは、変更案でもX社が計画している6階建て延べ面積900㎡の支社ビルを建設可能であることと、乙土地の一部を残すことでT駅前から延びる準幹線道路だけでなく6mの区道からも人や車両の出入りが可能になり、来客数の増加や利便性が向上するためだと思います。

道路に挟まれている宅地の評価額は、二方路線影響加算率による調整を行い計算します。

2022年2月5日 Part2
Ⅰ案で、乙土地単体ではX社が計画している店舗を建設できない理由として、どのようなことが考えられますか?

乙土地は、近隣商業地域と第一種住居地域にまたがっており、敷地が異なる複数の用途地域にまたがっている場合は、敷地面積の大きいほうの用途地域が敷地全体に適用されます。

乙土地の場合、近隣商業地域が1,000㎡、第一種住居地域が1,200㎡なので、敷地全体が第一種住居地域の制限を受けます。

X社が計画している鉄骨造3階建てのホームセンターは、延べ面積が4,800㎡です。

第一種住居地域では、延べ面積3,000㎡を超える建物の建設はできないので、乙土地単体ではX社が計画している店舗の建設はできません。

甲土地と乙土地を一体とした場合には、敷地全体に占める近隣商業地域の割合が大きくなるので、近隣商業地域が敷地全体に適用されます。

近隣商業地域では500㎡超の店舗は建設可能なので、X社が計画している延べ面積が4,800㎡のホームセンターを建設できるようになります。

二案で、丙土地単体ではY社が計画している店舗を建設できない理由として、どのようなことが考えられますか?

丙土地も近隣商業地域と第一種住居地域にまたがっており、敷地が異なる複数の用途地域にまたがっている場合の建蔽率は、用途地域ごとの敷地面積の加重平均で計算します。

丙土地の建築面積は、近隣商業地域部分が360㎡、第一種住居地域部分が840㎡で、丙土地全体では1,200㎡です。

Y社が計画しているドラッグストアは、建築面積が1,300㎡なので丙土地にはY社が計画している店舗を建設することはできません。

甲土地と丙土地を一体とした場合には、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定した角地の適用を受けることができます。

甲土地と丙土地を一体とすることにより建築面積は近隣商業地域部分が1,000㎡、第一種住居地域部分が960㎡で、丙土地全体では1960㎡になるので、Y社が計画している建築面積が1,300㎡のドラッグストアを建設できるようになります。

2024年2月10日 Part2
甲土地に、X社が希望する店舗を建築することはできますか?

現状ではできません。

甲土地は、近隣商業地域と、第一種低層住居専用地域の異なる複数の用途地域にまたがっており、異なる複数の用途地域にまたがる敷地の場合は、敷地面積の大きいほうの用途地域が敷地全体に適用されます。

甲土地の場合、敷地全体が第一種低層住居専用地域の制限を受けるため、X社が希望する店舗を建築することはできません。

甲土地にX社が希望する店舗を建築するためには、どのような方法が考えられますか?

甲土地を、近隣商業地域が過半を占める割合で分筆する方法が考えられます。

X社が希望する店舗は、延べ面積500㎡の鉄骨造平屋建てです。甲土地を近隣商業地域が過半を占めるように分筆すると、甲土地の用途制限は、準住居地域が敷地全体に適用され、店舗の建築が可能になります。分筆後の敷地が、X社の建設計画を満たすことや最低敷地面積以上になるように分筆する方法が考えられます。

不動産投資の評価手法

2020年9月27日 Part2
Y社が提案する、購入価格の算出方法について説明してください。

Y社が提案する購入希望価格5億円の算出方法は、純収益に対して6%の利回りで算出しているので、収益還元法の直接還元法で算出しています。

収益還元法とは、不動産の収益性に着目した不動産価格の評価方法で、対象の不動産から将来的に生み出される価値を現在価値に割り引いて不動産価格を決定します。

収益還元法には、直接還元法とDCF法の二種類があり、直接還元法は対象不動産の一定期間の収益を還元利回りで割って計算します。

DCF法は、将来的に得られる利益と売却時の予想価格を現在の価格に割り引き、その合計額を不動産価格とする方法です。

2021年9月26日 Part2
Aさんが甲土地の有効利用を決定するために、どのような判断基準をアドバイスしますか?

物件が、将来、どのくらいの利益を上げるのか、それを知るためには、購入価格と将来収益の関係を精査する必要があります。判断基準としては、原価法、取引事例比較法、収益還元法の三種類があります。

色々な判断手法を使って不動産の価格と収益の関係性を調べ数値を算出し、判断するようにアドバイスします。

原価法は、対象不動産の再調達原価を求め、再調達原価について減価修正を行い積算価格を求めます。コスト計算による評価で、わかりやすいというメリットがあります。

取引事例比較法とは、対象の不動産と、条件が似た物件の取引事例を多く集め、取引価格に、事情補正・時点修正を行い、地域要因の比較・個別的要因の比較を行なって求めた価格を比較考慮し比準価格を求めます。

収益還元法とは、対象不動産の将来収益を軸に算出するもので、直接還元法、DCF法の二つがあります。

直接還元法は、一定期間の収益を還元利回りで割って計算します。期待する利回りが高くなるほど、価格は低く評価されます。

DCF法は、不動産の保有期間中に得られる収益と売却益を、現在価値に割り戻して算出する方法で、不動産に限らず、広く用いられている投資評価です。

権利金の認定課税・土地の無償返還に関する届出書

2024年2月18日 Part2
X社は、土地の無償返還に関する届出書を所轄税務署に提出していますが、この手続にはどのような意味がありますか?

個人が所有する土地に、会社名義の建物を建てる場合、税務上、権利金の認定課税の問題が発生する可能性があります。

権利金とは、他人の土地に借地権を設定して建物を建てるときに、賃借人が地主に支払う金銭のことです。この権利金を授受する取引の慣行がある地域で、その授受が行われないときは、これらの行為があったものとみなし税務上課税されることになります。

土地の無償返還に関する届出書を提出することで、借地人は権利金を支払わなくてもよく、地代についても低額か支払わなくてもよくなります。

留意点は、地代を無償にしないことです。

仮に無償であっても、権利金の認定課税を避けることは可能ですが、無償、もしくは固定資産税等と同等の金額だと、使用貸借契約とみなされてしまいます。

使用貸借契約の場合、相続が発生した際に貸宅地とされず、相続税評価額の減額が適用できなくなります。

土地の無償返還に関する届出書を提出した土地の、相続税評価額を教えてください。

土地の無償返還に関する届出書を提出した場合は、将来、無償で土地を返還することになるので、借地権に価値はありません。

ただし、実際には、借主が土地を使用していることを考慮して、貸宅地として評価することが可能となり、自用地評価額の80%で価額を評価します。

また、相続税の申告では、借主である会社の株式の評価も必要になります。

会社の株式を評価するときは、自用地評価額の20%を会社の純資産価額に加算します。

土地の無償返還に関する届出書を提出した場合、小規模宅地等の特例は適用できますか?

土地の無償返還に関する届出書を提出していれば、貸付事業用宅地か、特定同族会社事業用宅地に該当し、小規模宅地等の特例が適用できます。

小規模宅地等の特例が適用できるのは、その土地が、有償の賃貸借契約によって、貸付けられている場合に限られます。

他に、権利金の認定課税を回避する方法はありませんか?

借地人であるX社が、地主であるAさんに相当の地代を支払うと、認定課税はなくなります。

この場合の相当の地代とは、その土地の更地価格の6%程度の金額です。

筆界と所有権界・時効取得

2023年9月24日 Part2
土地の境界には、筆界と所有権界という2つの概念がありますが、どのような違いがありますか?

筆界とは、法律上で定められた土地の境界のことです。

一度特定した筆界は、勝手に変更することはできず、分筆や合筆等の登記をしないと、筆界は変更することができません。

所有権界とは、所有権の範囲を示す、私法上の境界のことです。

所有者間の合意などによって、変更することができます。

Aさんは、Bさんが占有する丙部分を返してもらうことはできますか?

返してもらえない可能性が高いと思います。

丙部分は、Bさんの土地として長年使用されているので、丙部分の所有権を、時効取得できる可能性があるからです。

Bさんは、22年前にブロック塀までが乙土地と言われて購入したもので、時効によりその土地の所有権を取得したと主張し、なおかつ、22年にわたり丙部分を堂々と占有していたことを証明できれば、Bさんがその土地の所有権を取得する可能性があります。

丙部分を時効取得したとしても、その時効取得を登記するためには、丙部分の土地を分筆登記をして、時効取得で所有者がBさんになったという、所有権移転登記をする必要があります。

そうならないように、Bさんとの間で筆界を特定して、越境状態であることを互いに確認し、丙部分について、使用貸借契約や、賃貸借契約を締結することで、時効取得が成立しないようにすることをアドバイスします。

筆界を特定するためには、どのような方法が考えられますか?

境界確定訴訟や筆界特定制度を活用して、境界を明確にしていきます。

公図や地積測量図のほか、甲土地周辺の古い写真などで、Aさんの主張する境界が、正しいものであることを証明する方法などが考えられます。

隣地使用権・ライフライン設備設置権・設備使用権

2023年6月11日 Part2

甲土地を分割すると、隣地に設備を設置しなければ、上下水道管などの供給を受けることができません。
分割後のライフラインは、問題なく確保できますか?

これまでは、隣地の所有者に設備の設置に応じてもらえない場合や、隣地の所有者が所在不明である場合等には、隣地を使用することが困難でしたが、必要な範囲内で、他の土地に設備を設置する、ライフライン設備設置権が認められました。

今後は、隣地の所有者が所在不明で、承諾を得られない場合であっても、隣地を使用して給水管を引き込むことができるようになります。

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manabu

   

FP1級技能士、AFP、J-FLEC認定アドバイザー。
日本FP協会 CFP30周年記念プロモーション動画コンテスト 最優秀賞受賞
DTP・Webデザイナー・コンサルタントとして開業や副業のコンサルティング、FP試験のサポートを行っています。
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